年の瀬

 気が付けばもう2018年も終わろうとしているとは。
 今年もまた、あまりブログを書けないまま一年が終わろうとしてます。

 2018年、何を読んできたのかなあと思いめぐらしているのですが、リービ英雄にはまったとかありますが(ほとんど全部読んだもんね)、今年出た本でこれだ!というものは、と言われるとよく分からないなあ。

 と思いつつ、すぐ出るのは、内田洋子さんの『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』でしょうか。

 

 こういう緻密な調査と人のつながりを背景にした本は、読むと気持ちがよいですね。

 そういえば、今年の初め頃、友人が貸してくれた本で心に沁みたのは、森下典子さんの『日日是好日』。はるか昔に出た本だけど。

 感動して、自分でも手元に置きたいと文庫本を買ったら、その後映画されるという話を聞き、観に行こうと思っていたのですが、…見逃してしまいました(^-^;


 あ、そうだ、11月に富山市堀田善衛展を見に行きました。
 『堀田善衛を読む』を片手に。

 富山はいいところですねえ。冬は厳しそうなので、住むかと言われると南国育ちの私は二の足を踏むけれど、数日、のんびりと滞在してみたいなと思う街でした。
 それで、『富山は日本のスウェーデン』を読みたい!と思ったのですが、意外に富山市の本屋には一冊も見当たらず、ありゃりゃと軽く驚きましたわ。


 驚いたといえば、堀田善衛の本もほとんど売られていないのにも、地元でも読まれていないんかと、ちょっと寂しかったですが。

 金沢に行ったときは、地元出身の泉鏡花やら室尾犀星やらがバンバン積まれて売られていたのを見たので、堀田さんの本も富山ではそうなかのかと思ったのですが、そんなことはなかったのであった。

 高岡市では?と思って、書店に行ってみましたが、やはり一冊あるかないかで、読まれていないですねえ。まあ、地味な作家だし、一般受けする感じの作風ではないですものね。
 
 それはさておき、富山に行ったときは、富山市だけでなく、高岡市の博物館でやっていた「堀田一族と伏木」展まで見に行きました、
 おかげで、どんな一族だったのか、『若き日の詩人たちの肖像』の背景とかがもっとよく分かって、興味深く、行ってよかったと思いました。
 堀田善衛展をしていた高志の国文学館も雰囲気がよくて、気に入りましたし。
 堀田さんの書斎が再現されていたのを見られたのも、嬉しかった。

 堀田さん関連では、娘さんが書かれた『ただの文士 父、堀田善衛のこと』を読むことができて、よかったですね。
 スペイン生活について、父親の方から書いていたのを、娘の方から書かれている部分とか、面白かったです。
 それに、堀田さんが一つのテーマに取り組むときの、取り組み方の集中ぶり、徹底ぶりにも感銘を受けたましたね。

 

 というわけで(?)、2018年は、私にとっては、堀田善衛再発見の年でした。

 ついこの間、中日新聞夕刊の「大波小波」に、今、堀田善衛は殆ど読まれなくなったと書かれていて寂しかったけど、まだ、かろうじて(大きな)本屋には彼の本が並んでいるし、もう少し、彼の本を読んでみようと思っています。

 そうだ、今年は韓国に再接近の年もであったのだった。
 韓国語学習に(いささか)気合を入れ直したし。

 映画『1987』はよかったねえ。
 来年1月に『共犯者たち』を上映するというので、何が何でも見に行くぞ!と心に決めております。

 思えば、いつにもましてドキュメンタリー映画をよく観に行った年年だったかもしれない。

 『ゲッベルスと私』『ヴァンサンへの手紙』『いろとりどりの家族』などが心に留まっています。

 『いろとりどりの家族』は原作本が2019年に出版されるそうなので、それは読みたいなあと思っています。

 それでは、良いお年を。

 はるる