帰宅

 雨の中、長野方面から東京に戻ってきました。
 お久し振りでございます。
 
 この台風14号、とんでもない感じですね。大型で速度がのろくて。九州、四国方面は特に心配です。家族や友人たちが住んでいるので。

 ところで、『津軽』を読み終わり、太宰のすごくいい面に触れられたなという思いを抱きました。この人、自分を笑うユーモアを持っていて、本質的に誠実で愛のある人だったんですね。でも、彼の中の何かが弱くて、弱い善人の悲しさがあるというか。
 この文章を書いて数年後に太宰治は死んでしまったと思うと、なおさら、金木で兄たちや姪に会って山へと出かけるくだりや、自分の幼き時の子守りであったたけに30数年ぶりに再会する最後の部分がなんともはかない美しさと哀しみがあるように感じられてしまい、作家としてこの本を遺してくれて後の読者としては嬉しいけれど、人間としてはなんだか胸が痛くなるなあと悲しいような切ないような、なんともいえない読後感が残りました。

 さて、明日から日常だ。

 はるる