ブラザー・ロジェ

 今日、イギリスから電話があって、テゼの創始者であるブラザー・ロジェが殺されたことを知らされました。今週の火曜日に、精神障害の女性によって刺殺されたとのこと。
 びっくりして、BBCのサイトに行ってみて、本当だと確認しました。ショック。ヨハネ・パウロ二世のお葬儀に出席されて、まだ生きてらっしゃるのだなと嬉しく思っていたところだったのに、こんな亡くなり方をされようとは。
 
 10年以上前、フランスに友人と二人で行った時、テゼに関心のあった友人に連れて行ってくれと頼まれて、テゼに行き、数日泊まった事があります。
 その時のテゼの典礼の見事さと教会の飾りつけの素晴らしさは今でもよく覚えています。美しくて、祈りに誘う雰囲気がありました。
 ただ、夏だったこともあり、ヨーロッパ各地から集っていた若者たちの中には、祈りに来たというよりも、キャンプに遊びに来たという感覚で、ラジカセで音楽をかけて踊ったり、様々なヨーロッパ言語で「沈黙」書かれているのに、がやがやおしゃべりし続ける人々が多く、また、盗難に気をつけるように注意があったり、人数が多いため食事が難民キャンプ状態(炎天下、ずっと行列して配られるのを待つ)だったり、シャワーの順番待ちが大変だったりして、テゼの雰囲気自体は今一つで、私はあまりよい印象を持たないで、そこを後にしてしまいました。
 ただ、そういう猥雑な状況の中で、一度だけ、金曜日の夜の祈りの時だったかに、ブラザー・ロジェが講話をされたことがあり、それはよい印象として残っています。見かけは小さなおじいちゃんという感じのブラザー・ロジェでしたが、一種なんともいえぬオーラがあって、この人が見られてよかったなあと感じたものでした。

 日本に戻ってから、ブラザー・ロジェとマザーテレサの共著を読んだ覚えがあります。どうも、あまり、その時の自分にはピンと来なかったらしく、本の内容はよく覚えていないのですが。

 

祈り―信頼の源へ

祈り―信頼の源へ

 ブラザー・ロジェはカトリックではなくプロテスタントの方でしたが、エキュメニズムの点で一つの方向性を示した方だったように思います。もう一度、この方の精神を見直してみようかな。それが、ブラザーへの供養になる気がします。

 はるる