歌舞伎

 本日、知人を通して、「十八代目中村勘三郎襲名披露 三月大歌舞伎」のチケットをいただきました。全く予期していなかったことだけに、本当に嬉しい。昨年の海老蔵の襲名披露に行き損ねているだけに、嬉しさ倍増です。幸せ、幸せ、幸せ…。(四旬節なのに、いいのか?)
 これだけ大きい襲名披露の歌舞伎を見るのは、私がまだ大学生だった頃(^_^;),今の団十郎のものに行って以来のことです。(これを書きつつ、自分は本当におばさんになったことを認識してしまった。)
 私の好きな歌舞伎役者さんは何人もいますが、今回の三月大歌舞伎には、その方々が揃ってご出演になっているというのも、私の喜びの源になっています。その方々とは、仁左衛門玉三郎富十郎の皆様であります。もちろん、勘三郎を襲名される勘九郎も好きです。
 この歌舞伎に行く前に、仕上げねばならない仕事があり、今、私は「難しいよ〜」とのた打ち回っているのですが、チケットをもらった途端、この観劇日(三月十日)の前に仕上げるぞー!と心に誓ったのでありました(我ながら、現金なヤツ…)。

 勘九郎といえば、以前、丸谷才一さんとの対談を読んでいて、丸谷さんが人間国宝だった故中村歌右衛門さんの芝居のやり方を批判していたのを、今、思い出しました。確か、自分の芝居を見せようとして、時間を引き延ばす、自分だけになっているといった趣旨の批判だったと思います。(今、手元に本がないので、確認しないでうろ覚えで書いてます。間違ってるかも。)
 私が18歳で歌舞伎にはまった時、歌右衛門をしばらく追っかけていたことがあるので、これを読んでどきっとしたものです。私自身は、そういう風に感じたことはなかったので。
 『播磨屋画がたり』の中で、吉右衛門歌右衛門について、すごく政治的センスがあって、日本の首相だって務めることが出来た方だったということを書いていましたが、そういったことと、歌右衛門の演じ方は何か底流でつながっているのかなーなどと思ったりして。
 歌右衛門というと、思い出すのは、『女形の運命』ですね。

女形の運命 (岩波現代文庫)

女形の運命 (岩波現代文庫)

 それと、グレタ・ガルボ歌右衛門のニューヨーク公演を見て、夢中になり、毎晩劇場に通いつめた揚句、"Love, Love, Love"という電報を打ったという有名な話も思い出しますねー。
 以前、『噂の真相』だったかで、映画評論家の淀川さんと歌右衛門さんが対談されて、その際、歌右衛門さん自ら、その電報の実物を持ってきて淀川さんに披露してらっしゃいました。おかげで、私もその電報の写真を拝めました。(実は私は、ガルボファン。)
 ガルボは本質的に女性的でないのに女っぽい役を演らされて苦しかったとかで(彼女の映画を見ていると、なんとなくそれが透けて見えるので、気の毒)、その辺りで、歌右衛門の演戯を見てビビッと共感するものがあったのでしょうか?
 ガルボ玉三郎を見たら、やはり夢中になったかな?ならないかな?

 はるる