一息ついて・・・

 昨日書いた内容を今日読み直すと、文章は弛緩しているし(いつもしているけどさ)、内容はどうしようもないしで、我ながらうんざりしてしまい、削除しました。
 やはり、きちんと物事を自分なりに考えてから書き始めないと、こういうことになると自己反省。
 深い考えもなく始めたブログをどのように使ったらよいのか、自分のなかで方向性や位置づけを定めることがまだ上手くできないでいるため、まだしばらくは試行錯誤すると思います。悪しからず。でも、始めたからには、最低一年くらいは経験してみて、自分の中でちゃんと結論を出したいので、もう少しおつきあい願います。

 最近は、明治維新期日本と宗教、特にキリスト教との出会いというテーマに関連する本や論文を黙々と読む日々です。なんだか、蚕が桑の葉を食べている気分です。さなぎになってこのテーマについてじっくり考えられるようになるには、まず知識その他の蓄えがいる!とばかりに黙々と食べている。そんな感じ。食べるのに精一杯なので、読んだ本についてすぐここには書けません。ま、追々、考えることが出来始めたら少しずつ書いていこうと思っています。やはりコメントを通しての助けもいただけたら嬉しいですし。どうぞよろしく。

 で、そういう重い本を読んでいると、あまり考えないで読める本を読みたくなる。でもあまりに内容が軽くて読了後に空しくなるような本はいや。
 というわけで、こういう場合、大体私は、本についての本を読むか、紀行文を読むことが多い。といった経緯を経て読んだのは、椎名誠の『風のかなたのひみつ島』と目黒考ニの『だからどうしたというわけではないが。』。期せずして、『本の雑誌』のゴールデンコンビ(?)の本となりました。
 実は私、隠れ椎名誠ファンなのです。別に隠れる必要は全くないけど。
 この人が書く、『岳物語』に代表される静かな私小説群も、『本の雑誌血風録』や『新宿熱風どかどか団』のような実録風小説も好きですし、「変な小説」群も結構気に入っています。妙な言葉がどんどん出てきて、普通そうに見えてありえない世界が展開していく話。
 それと、この人のエッセイが好きですね。あたりはずれがあるけれども。これまで読んだ中で一番いいと思ったのは『パタゴニア あるいは風とタンポポの物語』かなあ。
 あと、むはシリーズですね。これは本の話がたくさんでてくるので、読んでいて嬉しい。
 さて、『風のかなたのひみつ島』ですが。

風のかなたのひみつ島

風のかなたのひみつ島

 『風のかなた…』は図書館で目次を見たら、「モノラックの走る島:怒和島」というのがあり、懐かしさのあまり、迷わず借りてしまいました。モノラック。これは、愛媛県人ならきっと知っている、みかんを運ぶ機械の名前です。
 この本は、島好きの椎名さんが、日本各地の島を訪ねては島のこと、旅のことを綴るというもので、私はてっきり以前読んだ『にっぽん海風魚旅』の続編だと思ったのに、そうではなく、『波のかなたのかくれ島』の続編だった。いや、それだけなんですけど。
 
 『だからどうしたと言うわけではないが。』の方は、一冊の本から始まって、次々と連想形式で思いがけない本が紹介されていくという本です。

だからどうしたというわけではないが。

だからどうしたというわけではないが。

 
 これがWeb本の雑誌に連載されていた頃、私はシカゴにいて、毎回楽しみにこれを読んでいました。連想していくという形が私の好みにあっていた。この本で一番好きなのは、第三話「海を渡った日本人のこと」。テーマ自体、私がかなり興味を持っているものですし、連想の仕方も、本のなかで、もっとも上手くいっているように思います。目黒さんご自身、「あとがきにかえて」の中で、理想的な展開と書いておられます。
 じつは、このブログで目黒さんがされたような、連想形式で本を書いていくというのがやれたらいいなと密かに考えたりもしていたのです。今は、読書量も足りず、読書内容も偏っているので、難しいということが分かってしまいましたが。ま、いつかやるかも。

はるる