読書友達
漫画家の吉野朔美さんが『本の雑誌』に連載されている本をめぐるエッセイマンガのシリーズが好きで、掲載雑誌を欠かさず(立ち読みで)読んでいます。買え!と本の雑誌社ただ一人の「炎の営業」マン杉江さんは叫ばれることでありましょう。雑誌は買ってないけど、単行本化されたものは全て買っているのでお許しくだされ。
- 作者: 吉野朔実
- 出版社/メーカー: 本の雑誌社
- 発売日: 2004/09
- メディア: 単行本
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このシリーズを読んでいていいなあと思うのは、吉野さんの周りには本を読んだら語り合える仲間がたくさんいることです。互いに本の薦め合いや送り合い、一冊の小説をめぐって何人もの仲間が侃々諤々、賛否両論乱れ飛ぶ情景、なんかうらやましいぞー。
私の周辺には、こういう読書友達はいないので、私がある本を読んで「すごい、すごい、誰かに話したい!」と思っても、なかなか話せない。これが、時たまですが、ちょっと淋しい。
昨日読んだ本で、おおっと思ったのは、朝鮮戦争の結果、北朝鮮は人口の24.8%(追記:失礼、数字打ち間違いです。正しくは28.4%。約3割です)を失ってしまったということ。これが国家にとってどれほどの打撃だったかは想像に余りあるわけで、なるほど、この事実があれば、1960年代初めに盛り上がった在日の方々の北への帰国運動を煽り、受け入れた北朝鮮の意図は労働力確保だという説が、ずっと長い間定説のようになっていたのもむべなるかなと納得しました。(人口の14%を独ソ戦で失ったソ連が日本兵捕虜をシベリアに抑留して労働力として使ったわけですから。←私の理解が間違っているかもしれませんが。)
ちなみに、上記の情報が書いてあったのは、この本です。
- 作者: 和田春樹
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1995/01/30
- メディア: 単行本
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しかし、帰国運動について最近出た本(『帰国運動とは何だったのか』)では、北朝鮮の真の目的は、日本との国交正常化のためのパイプ作りだったということを指摘していて、そういうのを考えながら、どう思う?と他の人と話してみたーいと思うのですが、誰と話せばいいのだろー?となってしまうのでありました。ま、本を読んでいるといろいろありますです。
- 作者: 高崎宗司,朴正鎮
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2005/05/01
- メディア: 単行本
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いきなり話は飛びますが、この間ちょっと気晴らしのつもりで読んだ『漱石の孫』が意外といっては失礼ながら、なかなか読み応えがあり、中身の詰まった本だったので、改めて、夏目房の之介さんのファンになった私です。以前、『週間朝日』に夏目さんが連載されていた「デキゴトロジー:学問」というのがむやみに面白くて、前からファンではあったのですが、ますますファンになりました。マンガ論から夏目家に伝わるトラウマのことなど、最近、私はにわかインチキユンギアン(ユング派)となってユング心理学関連の本をかじっているものだから、なおさら面白かったです。おお、これはシンクロニシティだとか、これは個性化の過程ではなんて勝手に感心していました。(夏目さんからすれば、そういう読み方は余計なお世話以外の何物でもなかろう。)
だから、なんだと言われても困るんですが、時にはこういう本を読んだ感想を誰かとしたいなーということですね。ブログでその一端をやっているということかな。
- 作者: 夏目房之介
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2003/04
- メディア: 単行本
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