雑感

 毎日、暑いですね。ヨーロッパは寒いようですが、東京は猛烈な暑さです。私は、完全に夏ばてしています。8月初めは三日間、夜眠れず、四日目にダウンしました。
 日本の夏が恋しいヨーロッパ在住の方々、一月くらい、居場所を交換してもよござんすよ。寒くても、雨ばかり降っていても、私は全然かまいませんです。この暑さ、湿気、そして蚊の攻撃から逃れられるなら。

 ところで、ずっとこのところ、日本キリスト教の歴史について考えていて、つくづく、天皇制と神道について、キリスト教は甘く見すぎているのではないかということを感じています。
 考えてみると、キリシタン初期の時代からずっと天皇キリスト教に対して敵対し続けているんですねー。正親町天皇が「大うすはらい」(デウス出て行けってことですな)の綸旨を出すのが1565年ですから。(この天皇、「おうぎまち」と読みますが、どうやったらそう読めるんじゃい!ここまできたら、漢字に対する冒涜という気もするぞ。)
 キリスト教陣営にこのことについてどれ位自覚があるのかちょっと疑問ですが、天皇の側はキリスト教を相当意識していて、キリスト教接触することで自らの位置づけも行なっているわけで、こうしたことを踏まえつつ、キリスト教の歴史を見ることも大事では?と考えている次第。これは、「神国」意識とキリスト教の問題とも関係すると思います。
 とはいっても、まだ考え始めたばかりで、頭の中はカオス状態です。

 こういったことをうーん、うーんと考えるにあたり、参考になった本のいくつか。

天皇とキリシタン禁制―「キリシタンの世紀」における権力闘争の構図

天皇とキリシタン禁制―「キリシタンの世紀」における権力闘争の構図

国家神道 (岩波新書)

国家神道 (岩波新書)

土着と挫折―近代日本キリスト教史の一断面

土着と挫折―近代日本キリスト教史の一断面

 頭がカオスなので、最後に妙な俳句をご紹介して終わりましょう。
 俳句はなんだかちゃんと読むためには頭がよくなきゃいけないみたいで、苦手意識が強いのですが、この俳人の俳句を読んだ時は、なーんか、短歌のライトヴァースの人たちみたい〜と思いました。つまり、とっつき易かった。
 その俳人の名は坪内稔典さんと言います。奇しくも愛媛県佐多岬のご出身。

 三月の甘納豆のうふふふふ

 四月には死んだまねする甘納豆

 五月来て困ってしまう甘納豆

 飯噴いてあなたこなたで倒れる犀

 夢のあたりへ響くちりめんじゃこの咳

 桜散るあなたも河馬になりなさい

 鬼百合がしんしんとゆく明日の空

 そのことはきのうのように夏みかん

 いやあ、最初、「三月の甘納豆のうふふふふ」を読んだ時には、目が点になりましたよ。なんですか、これはっ!?四月に死んだまねしたり、五月に困っている甘納豆って一体…。飯を噴いて犀がばたばた倒れているのもシュールなら、ちりめんじゃこが咳するのもすごい。桜が散って河馬になれと迫られてもねえ。
 と言う具合に、衝撃的な俳句でありました。いや〜、俳句もあなどれません。

 はるる