ムハンマドの図像

 おとなり日記で、下のブログの存在を知りました。

http://d.hatena.ne.jp/fenestrae/20060222

 ここに紹介されている Mohammad Image Archive

 http://www.zombietime.com/mohammed_image_archive/

は大変興味深いです。
 ムハンマドの風刺画については、表現の自由だ、民主主義だ、西洋のダブル・スタンダードだと議論がかまびすしいまでに行われて、頭がゆっくりとしか働かない私は、えーと、えーとと考えている間に、どんどん事態が推移していくのでついて行けずに今日まで来てます。
 ただ、こういうイスラームの内部の歴史的背景(どのようにムハンマドは表象されてきたか)のようなことを踏まえてこの問題を考えるともっと立体的に考えられるかな〜とのんびり頭で考えているところです。
 
 私はもし民主主義を知らない人から民主主義って何ですか、説明してくださいと訊ねられたら、自分は説明できないのではないかという恐れを抱いている人間です。本当のところ、何も分かっていない。アヤーン・ヒルシ・アリ氏の「私はイスラム離反者」を読んで以来、ずっと民主主義を説明してくださいと言われたら、何と言うかとを考えています。
※「私はイスラム離反者」は次のブログで読めますので、どうぞ。
http://neshiki.typepad.jp/nekoyanagi/2006/02/__d106.html

 『デモクラシーの冒険』をもう一度読み返しつつ、私は本当にぼけっと生きているのだなあということを感じると同時に、いわば空から民主主義が降ってきた日本と民主主義を闘争して得た韓国の違いに思いを馳せておりました。(これについては、姜尚中氏がこの本をの第五章で述べられてます。)
 敗戦直後、昨日まで天皇陛下万歳、日本は神国、神風が吹くと言っていた人が、ころりと、今日は日本は民主主義の国ですから、民主主義万歳と言っていたという話などを聞いたり読んだりしますと、日本は実は民主主義とは何か根本は分からないで、お題目として、なんといいますか、言霊信仰を基盤にして「民主主義」という言葉そのものにパワーがあるものとして、唱え続けてきた部分があるのではないか、と思ったりしています。(お前と一緒にするないう声が聞こえてきそうだが。)
 日本云々より、まず自分をどうにかしないと…。

 『デモクラシーの冒険』は歴史を語った第二章と第四章が、私にとってはよかったですね。特に、ホッブスについての考察が。

 お二人があとがきでも書かれているように、この本を読んで終わりだと、まだ私は知の消費者に過ぎないわけで、「デーモス」として公的空間にいかに足を踏み入れるか、課題です。

デモクラシーの冒険 (集英社新書)

デモクラシーの冒険 (集英社新書)

 はるる