日本語の発音

 数日、友人に会いにマルセイユに出かけていました。マルセイユはパリとはまた全然違っているので、やはりフランスは広いねえと実感。
 窓の両側に木の雨戸(うう、ホントはなんと言うのか知りません)があり、明らかに強烈な光を遮るために使っているのを見ると、イタリアみたいだなあと思いましたし、街を歩いていると、何人もの男性が「ニーハオ!」と声をかけてくるところも、イタリアだ!パリでは決してなかったぞ。買い物している時に、「この中国人が支払い終わったら注文を聞くから待て」と店の人が客に言っているのは聞いたけれど。
 フランス人にとって、アジア系=中国人なんですね。日本人、影薄し。日本叩きされていた頃が懐かしい…わけないか。

 マルセイユの暖かい気候と強い光をみていると、画家たちが南仏をめざしたわけだと今更ながら納得しました。

 さて、本日のお題は「日本語の発音」です。前回、フランス語の発音に苦労している話を書きましたが、私が悔しいなあと思うのは、フランス語に比べて圧倒的に日本語は発音が簡単!ということ。
 日本語を教えてくれと言われて「おはよう」とか「おやすみなさい」とか「ありがとうございます」とか教えましたが、みんな美しく発音してしまう。母音と子音で一つだから、発音が易しいということが火を見るよりも明らかで、なんだか不平等条約のようで口惜しいです。フランス語の発音には高い関税がかかっているのに、日本語にはなくてどんどん相手に入られるみたいな感じと言いますか。明治政府の条約改正努力に思わず共感しちゃうなあ。(なんのこったい。)

 しかーし!
 あるんですね。
 彼らにも苦手な発音が。
 実は、私の本名はフランス人が苦手とする音の連続音なのです。h音とかね。ふふふ。
 ってこんなところで喜んでどーするのだ、それは要するに、私の名前をまともに発音してもらえないということではないですか!(T_T)

 こちらに来て一月たち、少し耳が慣れたので、今はあまりなくなってきましたが、前はフランス語が日本語に聞こえるという現象がありました。例えば、un painと言われると自動的に頭の中で「餡(アン)パン」と変換されてしまうとか、jusqu'à-laが「ですから〜」に聞こえて「えっ?」となったり「a le gâteau」が「ありがとう」に聞こえて、なんでいきなり日本語?となったり…。(ここに書いているフランス語、間違っているかも。そうだったらごめんなさい。初心者なもので。)
 いやあ、フランス語、奥深し。
 
 話はあちこち飛びますが、マルセイユへの行き帰り、TGVを利用しましたが、「のぞみ」とTGVどっちに乗る?と聞かれたら、JRには悪いけど、私はTGVを選ぶなあ。はるかに快適。
 で、TGV車中で読んでいたのは At Bertram's Hotelでした。200ページ足らずの本なので、往復で読み切るかなと思ったのですが、行きも帰りも寝てしまったので、まだ半分しか読めてません。(特に帰りは爆睡状態でした。3日間、ひたすら歩いていたもので。)この話、どうやってまとめるのかなあと思いながらも、謎がいっぱいで上手く読者を先へ先へと引っ張るアガサ・クリスティの術を楽しみつつ読んでます。帰国までもう一週間ないけど、読み終わるのか知らん?
 Canon Pennyfatherが生きているといいなあ。

 

At Bertram's Hotel (Miss Marple)

At Bertram's Hotel (Miss Marple)

 はるる