ピオ12世
花のパリからの話題としては唐突に見えるかもしれませんが、第二次世界大戦中にユダヤ人が収容所で殺戮されていることに対する「沈黙」が取り沙汰される教皇ピオ12世のことが、何年も前から私はずっと気になっています。
いろいろと文献を読みたいと思っているのですが、日本語ではあまりこの問題について読むことができません。
正面からこの問題を扱っているのは『ローマ教皇とナチス』くらいですかねえ?勉強不足なので、よく分かりません。他の文献をご存知の方は、ぜひご教示お願いします。
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死亡直後は聖人扱いだったピオ12世(今も列福運動があるらしいですが)に対して、疑問をたたきつけたのがロルフ・ホーホフートの戯曲『神の代理人』だったと私は理解していますが、これは何年か前に映画になりましたよね?『アーメン』という題で。確か、この映画ポスターがフランスで問題になって裁判になり、私の記憶が正しければ、教会が負けたはず。
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どうして突然こんなことを書く気になったかと言うと、一つには日本ではとっくに絶版になっているホーホフートの『神の代理人』をフランスの本屋で見つけたからです。(当然、フランス語ですけど。)さらに、何冊も何冊もピオ12世関連書が書棚に並んでいるのを見てしまったからでもあります。日本では考えられない。すごい…。
これまで、日本語ではピオ12世関連書をろくに見つけられなかったため、私は泣く泣く英語の文献に手を出していました。センセーショナルなコーンウェルのHitler's Popeとか、それを批判したHitler, the war, and the pope とか。
Hitler's Pope: The Secret History of Pius XII
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そんな時、今回フランスの本屋さんで、そうか、フランス語でこんなに書かれているのか!ということを発見して驚嘆した次第です。
フランス語がもっと読めたら読むのになあと嘆息しつつ、実は迷っています〜。いかん、いかん、どうせ読めない、読めない、買うな、買うなと呪文を唱えているところです。
ちなみに、迷っているのは、Pie XII : Et la Seconde Guerre mondiale d'après les archives du Vatican という本です。
http://www.amazon.fr/exec/obidos/ASIN/226202362X/qid=1141855820/sr=8-1/ref=sr_8_xs_ap_i1_xgl/171-5728894-1937029
表紙がコーンウェルの本とそっくり同じ写真を使ってますねえ。アマゾンでの評価をチェックしてみたら五つ星と高いので、思わず、おおっとなってしまうところが危ないんだってば。読めない、読めない。買うな、買うな。
これだけフランス語で本があるということは、私が読めないドイツ語だったらもっと関連本があるのかも。
と思っていたら下記のブログでの記述を発見しました。これが、今回ピオ12世を取り上げようと思った理由の二つ目です。
http://iulianus.exblog.jp/m2006-03-01#4234664
3月6日、7日に「キュング様のお言葉」としてハンス・キュング(様をつけるべき?)の"Kleine Geschichte der katholischen Kirche"からのピオ12世に関する部分の訳出が載せられています。ドイツ語に関して目に一文字もない私としては、まことにありがたい限りです。
以前、キュングの教会論の観点から見たカトリック教会史を英語で読み、そのときもピオ12世に対して相当厳しいなと感じましたが、いや、スバスバおっしゃってますね。でも、結構ピオ12世の本質突いている気がします(^^;)。
ドイツ語をやる気は(今のところ)ないので(英語も韓国語も不十分極まりないのに、この上フランス語もやらねばならない羽目になったし~_~;)、このように訳をネット上に公開してくださる方の存在はとてもありがたいです。こんなときインターネットの威力を感じますね。私のブログはその点、何も貢献してないなあ。スミマセン。
と言うところで、夜も更けてまいりましたので、なんだか尻切れとんぼで終わります。
ではでは。
はるる