沈黙

 心に響いた言葉。

 タイ仏教で行うサコーディ(瞑想)の経験について、あるフランス人僧侶の言葉。

 まず息を整えることからはじめて、だんだんと、血が身体中をかけめぐる音で耳がつぶれそうだ。それから、ふいに一切が沈黙する。樹木が息しているのがわかる。異様な静けさの中で大地が息吹いている。

 ル・クレジオ『逃亡の書』より

 ぼくは特に沈黙について語りたい。・・・・・・言葉の欠落でも、精神の停止でもない沈黙、言語の外部領域への接近である沈黙、いわば生きた沈黙について。世界と人間の間の積極的な平等の関係。…夜と昼のリズム、水浴のリズム、ジャワのリズム、抑揚のある言語のリズム、石のリズム、光と西の屋根の端がそり上がった建築のリズム、病める人々の体に届くようにテラスをわずかに低くした木造の家のリズム、これらのすべてのリズムは沈黙からできている。なぜなら、それはぼくの内部のほかのリズムを消し、ぼくを黙らせるから。

 
 以上二つは、『日本人の世界地図』の 第5章「沈黙の文化」を忘れた日本人 からの孫引きです。

 この文章を読んで、八木重吉の詩を思い出しました。

 こうふくはしずかなせかい。

 ほのおがもえる
 木がそだつ


 先週はボビーについてしゃべりすぎて、沈黙が必要な今の私。
 ただいま反省中。

 午前中、外を見ると雪が舞っていて驚いた。
 今日は本当に冷たい日。

 

  はるる