雨宮×堤対談
毎週気合を入れて読んでいる「マガジン9条」に、雨宮処凛さんと堤未果さんの対談が掲載され、一読。
マガジン9条〜「格差×戦争〜若者のリアルと憲法〜」雨宮処凛×堤未果〈その1〉〜
来週に(2)が続くようです。
イラク戦争に行っている派遣社員の悲惨な実態には驚愕。
残飯食べて雨水飲んで、それで社員って一体…。
雨宮
9条のことのみで運動をやっている人たちに、私がよく話をすることは、日本には二つの戦場があるのではないですか? と。一つは、テロ特措法とかイラク戦争に荷担している日本の戦場性ということと、国内に貧困層を閉じこめてしまっている、国内にある戦場の問題について。国際競争力をつけるとかいって、フリーターとか非正規雇用の人たちは、日本にいながら、中国やインドとの低価格競争といったものに、巻き込まれてしまっています。そんな彼らの年収は約106万、これはフリーターの平均年収です。
(中略)
国内の戦場に閉じこめられている人たちの問題を抜きにして、9条の問題は語れない領域にきているのではないでしょうか? 平和を守るということが、今の格差社会の底辺にいる人たちの生存権を無視しながらそのまま国内の戦場に閉じ込めることとイコールになってしまうなら、また自分たちの問題を無視されて語られる平和だったら、いらない、ということを言う人たちがいても、私はしごく当然だなと思う。
堤
9条と25条をセットで、すすめていかなければ、という声は多くなっていると思います。9条を守ろうという運動をやっている人たちは、その中心がどうしても年配の人たち。戦争の体験者だったり、国というのは、戦争をするから、貧しくなるんだという、そういう認識で生きてきた人たし、今もそう思っているでしょう。でも、現在の米国の状況や、雨宮さんの話を聞いていると、今は、自分の国の中に貧困を作り出すことで、逆に戦争ができるようにしている。雨宮
堤さんのお話を伺っていると、アメリカでは、戦争で死ぬための人を作り出すために、貧困層が大量に生み出されているというか、そういう人たちは、戦地にいくか、ホームレスかということですから、もう戦死か路上死か、獄死かというような、最初からのたれ死ぬことが前提にされているように見えます。 それって、個人の努力ではどうしたってはい上がれないことですよね。堤
自己責任というキーワードは、本当に暴力的な言葉ですよね。(後略)
堤さんの本は前から読んでみなければと思っていたので、冬休みに(もし気力と体力が残っていれば)読んでみたいと思います。
報道が教えてくれないアメリカ弱者革命―なぜあの国にまだ希望があるのか
- 作者: 堤未果
- 出版社/メーカー: 海鳴社
- 発売日: 2006/04/28
- メディア: 単行本
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この方の新著として、岩波書店から『貧困大国アメリカ』が近々出版されるようなので、それも気になっています。
その前に、やはりシプラーの『ワーキング・プア―アメリカの下層社会―』に目を通しておくべきかな。
- 作者: David K. Shipler,デイヴィッド・K.シプラー,森岡孝二,川人博,肥田美佐子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/01/30
- メディア: 単行本
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はるる