秋晴れ

 気温は高いですが、気持ちのいい秋晴れの空が広がっていて、嬉しい。

 まだ体調は万全とはいきませんが、今日は毎日のように通わねばならない耳鼻科も休みなので行かずに済み、それがまた嬉しいのでありました。

 うきうきと長いお散歩に行こうかなと思っております。
 

 11月に東京での公開を皮切りに、冬には名古屋でも上映される予定の『未来を写した子どもたち』。

 http://www.mirai-kodomo.net/

 数年前にアカデミー賞ドキュメンタリー部門ほか山ほどの映画賞を総なめしてきた傑作映画。やっと日本で見られます。

 原題は“Born Into Brothels”、つまり「売春窟に生まれついて」。



☆ ☆ ☆

 『シルクロードの宗教』読了。

 類書がないから、入門書としてよい本と思いました。中央アジアがなぜイスラーム圏になったかについて示唆をもらった。
 なぜ15世紀以前のアジアのキリスト教が消えていったかについては、どうもすっきりしない感が残るが。
 この問題は、意外に難しい問いなのかも知れない。しかし、大切な問いなので、これからも考え続ける必要があるな。


 

シルクロードの宗教―古代から15世紀までの通商と文化交流

シルクロードの宗教―古代から15世紀までの通商と文化交流


 モフェットもキリスト教(この場合は、主にアッシリア教会=いわゆるネストリウス派)が結局うまくいかなかった理由を5つ挙げていたっけ。相手国の文化への過度の同化や人材不足などが項目の中にあったという記憶があるが。(後で確かめます。不確かな情報ですみません。)

 

A History of Christianity in Asia: Beginnings to 1500

A History of Christianity in Asia: Beginnings to 1500


 今、読んでいるのは『一六世紀科学革命』と『ラス・カサスへの道』。


一六世紀文化革命 1

一六世紀文化革命 1

一六世紀文化革命 2

一六世紀文化革命 2


 心性の変化という問題は、本当に面白い。



ラス・カサスへの道 --500年後の〈新世界〉を歩く

ラス・カサスへの道 --500年後の〈新世界〉を歩く

 
 著者自身が書いていたことですが、バルトロメ・デ・ラス・カサスに関する文献史料を緻密に読み解いて素晴らしい本を書いた研究者は何人もおられるけど、ラス・カサスの足跡を忠実に歩いた人は、確かにおられなかったですね。

 ラス・カサスが亡くなったマドリッド郊外のアトチャ修道院がスペイン内戦の激戦地となり完全に破壊され、彼の墓も消滅してしまったなんてこの本で初めて知りました。

 染田先生の本を引っ張り出して確認しましたが、どれもラス・カサスの思想と行動に集中しているので、彼の伝記であってもそのようなことは何も書かれてませんでした。(別に思想分析に必要ないものね、そんな情報は。)

 グティエレスも石原保徳氏もラス・カサスの神学や思想・行動に焦点を合わせているので、そのようなことはなし。

 というわけで、ラス・カサスの足跡を忠実に歩いた上野さんの本、読んでいて面白いです。歴史は現場を歩くこともとても大事だと再確認。

 私も長崎とかもっと歩かないと。


 染田秀藤先生の、昔お世話になったラス・カサス関連書籍(一部)。

 

 

ラス=カサス (Century Books―人と思想)

ラス=カサス (Century Books―人と思想)

 

もうひとつのスペイン史―中近世の国家と社会

もうひとつのスペイン史―中近世の国家と社会


石原保徳氏の本も私の目を開いてくださいました。

 

インディアスの発見―ラス・カサスを読む

インディアスの発見―ラス・カサスを読む


 グティエレスのラス・カサス本。

  

神か黄金か―甦るラス・カサス

神か黄金か―甦るラス・カサス

 上記の日本語訳は下の大著の一部が先に本として出たのを翻訳したもの。


 

Las Casas: In Search of the Poor of Jesus Christ

Las Casas: In Search of the Poor of Jesus Christ


 副題から推測がつくように、解放の神学の観点からラス・カサスの神学を分析しています。私のラス・カサス観はかなりグティエレスによっている。


 お、こんな面白そうな本が出ている。
 読んでみたいな。…い、いつかね。

 

Another Face of Empire: Bartolome De Las Casas, Indigenous Rights, and Ecclesiastical Imperialism (Latin America Otherwise)

Another Face of Empire: Bartolome De Las Casas, Indigenous Rights, and Ecclesiastical Imperialism (Latin America Otherwise)

 

 秋晴れで気持ちいいねーという話のはずが、なんでラス・カサスに行くのか。

 はるる