またも風邪気味ながら

 数日忙しくて疲労がたまっていたところに急に涼しくなったためか、喉が痛い。
 まずいです。これから、まだまだ頑張らねばならないのに。

 
 大急ぎで『イメージを読む』を読み、『フランツ・ファノン』をおおかた読む。(ついに、ファノンを読む時が熟したのか、ぐいぐい読めた。って、当人の著作を読んでないから、本当にファノンを読む時が来たのかどうか分からないですが。)

 

イメージを読む (ちくま学芸文庫)

イメージを読む (ちくま学芸文庫)

 

フランツ・ファノン

フランツ・ファノン

 
 このところ『カルチュラル・スタディーズ入門』『カルチュラル・スタディーズ』『映画で入門 カルチュラル・スタディーズ』なんて昔読んだものや新しく買ったものなどを立て続けに再読したり、読んだりしていて、「科学」に心が偏りすぎたせいか、いきなり小説が読みたくなり、たまたま手近にあった『若き日の詩人たちの肖像』なんかを読んでしまいました。(いきなりカルチュラル・スタディーズなんて、何やっているんだか。)

 「文学」が極端に不足すると、あまり小説を読まない私でも、貧血の人が鉄分を補うように「文学」を魂に入れたくなるみたいです。

 『若き…』は20年以上前に読んで、その時かなりはまった小説。
 もう黄ばみかけている文庫本をちょっとだけ…と読み出したら止まらなくなって、上巻を読み終わって下巻の途中まで読み、はっと我に帰ってやめました。仕事用の本を読まないと間に合わないでしょ!

 

カルチュラル・スタディーズ入門 (ちくま新書)

カルチュラル・スタディーズ入門 (ちくま新書)

知の教科書 カルチュラル・スタディーズ (講談社選書メチエ)

知の教科書 カルチュラル・スタディーズ (講談社選書メチエ)

映画で入門カルチュラル・スタディーズ

映画で入門カルチュラル・スタディーズ

若き日の詩人たちの肖像(上) (集英社文庫)

若き日の詩人たちの肖像(上) (集英社文庫)

若き日の詩人たちの肖像 下 (集英社文庫)

若き日の詩人たちの肖像 下 (集英社文庫)


 この小説をあらためて読み返してみると、20代のはじめに読んだときには全然見えてなかったことが20年も経つと少しは見えてくるようで、今回はページの間から時代の閉塞感をひしひしと感じ取りつつ読みました。
 その中にいる主人公の出口なしの気分がなんだかすごく伝わってきて、前はこんなこと感じないで読んでいたなと思った次第。

 少し、時代状況が似てきている。

 でも、戦前の大学生のレベルの高いこと、高いこと、本当にエリートだわ、こりゃ。
 教養の高さも今の私なんて彼らの足元にも及ばないし。

 もっともっと勉強しなければ。16時間も本を読んで、外国語を勉強している姿を見ると、私なんかまだまだと勉強と努力の不足を痛感。


 また、地方で培われていた文化の厚みも今回の再読ではすごく感じて、感嘆してしまいました。戦後という時代は、この文化を破壊していく過程でもあったのかと思う。

 
 というところで、『ポストコロニアリズム』もこれから読んでみる予定。

 今頃、入門書を読んで一からお勉強しているというのが情けないけど、これが現実。

 

ポストコロニアリズム (岩波新書)

ポストコロニアリズム (岩波新書)

 ところで、つくづくこの頃感じるのは、私には哲学の素養が欠けているということ。全く哲学的な思考の訓練がない。これはものを考える際に致命的な欠陥となるのだということが、実感として迫ってきています。
 どれほど自分にとって哲学の訓練を受けていないことが大きな損失かが、最近になってすごく分かってきて、フランス人に生まれたかったなあと他力本願なことをちらっと思ったりしてます。

 自分で勉強しようと思っても何をどうしたらいいのか、よく分からない。困ったものです。

 はるる