未見坂

 ただいま、ちょびちょびと『未見坂』を読んでおります。順番を無視して読んでますが、作者としては、収録順に読んで欲しいとやはり思われるかしら。

 「滑走路へ」「なつめ球」「戸の池一丁目」「トンネルのおじさん」に出てくる少年は、同一人物かなあなどと思い巡らしつつ、しみじみと堀江さんの文章を噛みしめているところです。

 

未見坂

未見坂

 
 それと、堀江さんの『回送電車』も拾い読みしているのですが、この本に収められている「ムササビのいる川辺」(だったと思うのだが。今、記憶で書いているので間違っているかも)の冒頭を読んで、驚きました。

 というのは、「神言会修道院」という言葉が出てきたから。

 堀江さんが岐阜県出身とは知ってたのですが、うーむ多治見出身であったとは。(ファンなら周知のことなのかな?)

 『回送電車』の中では、「裏声で歌え、河馬よ」が妙に気に入りました。「梗概について」(正)(続)もよかった。

 それから、「村に一人の馬鹿がおりました」が効果的に使われている話も。(「村に、ひとりの」だったかな。)

 これで『ムギと王さま』を読みたくなってしまった。

 

回送電車

回送電車

 これが文庫で出ることを知らないで、文庫本発売直前に単行本を購入してしまったのでした。ああ…。「村に、一人の馬鹿がおりました。」

 いいんだ、単行本のほうが字が大きいもん。これから馬齢を重ねるばかりでそのうち老眼になるし。

 

ムギと王さま―本の小べや〈1〉 (岩波少年文庫)

ムギと王さま―本の小べや〈1〉 (岩波少年文庫)

はるる