三つの映画
これは観ないと!と思った映画について、メモ。
『ブルー・ゴールド』
監督サム・ボッゾへのインタビューのなかで、彼は
「水」を扱った多くの映画が、水が利益のために私物化される問題に焦点を当てているけれど、私は自分だけが水の政治的な力に焦点を絞ったと思っている。この映画は、軍が外国の帯水層や湖のそばに基地を作っていることや、合衆国の大統領が将来の使用に備えて水の豊かな土地をひそかに購入していることや、大統領や市長たちが自らの力とするために水会社と取引していることや、干上がった土地に水を供給することのみを要求するために誘拐まであることを探求している。アラスカの水の利権王で、民間の企業化であるリック・ダヴィッジはこう言っている。「金の問題じゃない、力なんだ。水は新しい力なんだよ」
と語っている。
「力」。強くなるという欲望。人の上に立ちたい、弱い立場になりたくないという欲望。これは本当に怖い。
『ブルー・ゴールド』のもとネタとなった『水戦争の世紀』、読まなきゃ!
『ウォーター・ビジネス』『ウォーター 世界水戦争』も読めればいいけど(時間がねえ…)。
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来週、東京に行くので、時間を見つけてこの映画を観に行きたいと思っています。
別の水戦争を扱ったドキュメンタリー映画、FLOWのDVDを思い切って購入したのですが、まだ観てません。
字幕付いていないものなので、観るのにちょっと気合いがいる。
ちなみにこれ、「松嶋×町山 未公開映画を観るTV」(http://www.sonymusic.co.jp/etv/matsumachi/)で昨年11月に放映されているのですね。
字幕付きでみられたのになあ。
東京でしか観られない番組で、悔しい。
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ところで、柴田明夫氏の『水戦争』によると
世界には「ウォーターバロン(水男爵)」と称される圧倒的な力を持つ3社の水企業が存在する。フランスのスエズ社、ヴィヴェンディ社、およびドイツのRWE社を保有するイギリス本拠のテームズ・ウォーター社だ。
いまやこれら3社は、世界的な「水道事業の民営化」の流れを背景として世界のあらゆる地域をターゲットに水供給事業を拡大しているのである。(中略)
彼ら(注:水企業)は深刻化する世界の水問題に関する議論をリードするかたちで「水道事業の民営化こそが問題解決への本筋である」という戦略をとってきた。そして、その流れのなかで「水は商品である」ということを強く訴えている。
(中略)
こうした欧州の水企業の考え方に沿うかたちで2000年に開催された「第2回世界水フォーラム」では「フルコスト・プライシング」(水道事業にかかった費用の全額を地域の消費者から取り戻す)という利用者負担の考え方が打ち出されている。
(中略)
では、水道事業の民営化の現状はどのようなものか。
グローバルウォータ・ジャパン代表の吉村和就氏が「エコノミスト」(毎日新聞社刊)2007年10月2日号に寄港された『「水道メジャー」が世界を支配する』というページのなかで、上下水道の民営化が進んだ状況を紹介している。「国別にみると、英国100%(スコットランド、アイルランドを除く)、フランス80%、ドイツ20%、米国35%」となっている。アジアもすでに10%に達しており、特に韓国や中国で民営化が進んでいるという。(91〜93pp)
その後、小見出しが「水道事業民営化に遅れる日本」とついて
では、なぜ日本の水道事業は民営化に出遅れたのか。それは、100年以上官が経営してきた水道の維持管理事業を経験のない民間に任せてもいいのか、という官の側の心理的抵抗が大きかったためと思われる。
(中略)
それでも小泉構造改革の「官から民へ」という流れもあり、ようやく海外の水道企業による本格的な進出の動きが見られるようになった。
(中略)
しかし、ウォーターバロンなど外資が日本市場に密かに関心を示すのは、すでに成熟している水道事業ではなく、日本において比較的豊富な淡水資源を利用した淡水輸出ではないだろうか。(94〜95pp)
と書いてあります。
なんだかこの書き方だと、水道を民営化しない日本は世界で遅れているというニュアンスを感じるのですが、そんなに水道を民営化することっていいことですか??
他の本も読んで、ちょっと勉強してみたいと思います。
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もうひとつ、これは!と思った映画は『アメリカ―戦争する国の人びと』(8時間にも及ぶ大長編!)。
明後日から東京で上映が始まるようですが、とてもこれは観られない。
しかし、『One Shot One Kill―兵士になるということ』は名古屋でも上映されるようなので、なんとしても観ようと考えています。
森の映画社★札幌編集室: ONE SHOT ONE KILL
今、『冬の兵士 イラク・アフガン帰還米兵が語る戦場の真実』を読んでいて、そこで語られる内容は、旧日本軍兵士たちが、『沈黙を破る』の元イスラエル兵士たちが語ったのと、同じものであることに思い気分になっています。
自分も一線を越えるだろうし、越えたらこういうことをやってしまうなという恐怖を感じつつ読んでいます。
- 作者: アーロングランツ,反戦イラク帰還兵の会,Aaron Glantz,TUP
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はるる