読んだ本

年末年始の休み中にスカートを縫うかたわら読了した本は、『幸田姉妹』『ダーリンの頭ン中』1・2巻、『英語にあきたら多言語を!』『マルチリンガルの外国語学習法』。

 観たDVDが『ヒバクシャ 世界の終りに』と『六ヶ所村ラプソディ』『祝の島』。

 多言語学習と脱原発という、なんとなく「手術台の上のミシンと蝙蝠傘」(「マルドロールの歌」ロートレアモン伯爵)みたいな組み合わせ(というほどでもないか。)

 そういう組み合わせからポツンと離れ、異彩を放っている『幸田姉妹』は、幸田露伴の妹の幸田延と幸(結婚後は安藤幸)を扱った本です。

 幸田文の文章を読んでいると、ちらちらとこのお二人が出てくるので、この姉妹については以前から興味を感じていて、いつか知りたいなと思っていたら、おあつらえ向きの本を図書館で見つけたので、読んでみました。

 日本西洋音楽の草分けのお二人ですが、お二人ともすごかった。

 明治期に女性の身でアメリカやドイツに留学してピアニスト、ヴァイオリニストとして立派に大成していったお二人の努力と根性に脱帽です。

 そして、女性で高給取りの幸田延への男性の嫉妬、やっかみから来たバッシングのいやらしさと、新年度が始まって安藤幸が授業をするために登校する日まで、彼女をクビにしたことを知らせないという「非禮」を行った音楽学校(今の東京芸大かな、もう本を返却してしまったので、うろ覚え)の仕打ちのひどさが、印象に残りました。

 このお二人は、いわばキャリアウーマンの先駆者で、その苦労は並大抵ではなく、はるかなる大先輩に対し、敬愛の念を覚えました。


 本の詳しい内容は下のサイトを参考にしてください。

http://www15.ocn.ne.jp/~yukiko99/books2-2.html

 

幸田姉妹

幸田姉妹

 多言語学習関連本は、多言語を駆使する人ってどういう頭なの?という純粋なる興味から手に取ったものです。

 ヨーロッパに行くと、よく多言語を駆使する人に出会い、その都度、どういう頭の構造をしてるのかな〜と思っていたので、なんとなく図書館で目についたものを借りてみました。

 英語のTheについての衝撃の事実を知った『ダーリンの頭ン中』第1巻と、世界にはなんといろんな言語があるのだろうと感じ入った第2巻。

 ダーリンことトニー・ラズロ氏の薀蓄が本当に楽しい。

 こういう人と一緒だと飽きないだろうなあ。

 

ダーリンの頭ン中 英語と語学

ダーリンの頭ン中 英語と語学

 

ダーリンの頭ン中 2

ダーリンの頭ン中 2

 そういえば、昔アメリカ人に対してtheのことを確認している時に、この漫画でトニーが見せたのと同じよな反応をされたことがあったなあと記憶がよみがえりましたわ。

 言語オタクの一端を楽しませてもらったトニー・ラズロの『英語にあきた多言語を!』。

 ハンガリー語習得に苦しむトニーに、ハンガリー語初級者の私は親近感を抱きました。

 

英語にあきたら多言語を! ?ポリグロットの真実?

英語にあきたら多言語を! ?ポリグロットの真実?

 『マルチリンガルの外国語学習法』は、ちょっと題名と中身が食い違っている印象を受けました。後半のカタルーニャ語をめぐる話とかね。
 私にはカタルーニャ人の知り合いがいて、スペインへの屈折した思いとか、言葉への想いとかを聴いてるので、なんだか複雑な思いでこの部分は読みましたが。スペインからの目線で書いているような気もして。
 
 独学で外国語を身に着ける途上での発音の苦労とか、書籍を通して学ぶので語彙や言い回しがどうしても古色蒼然としたものとなりがちという話など興味深かったです。

 それにしても、独学でペルシア語ほかの言語を身に着けられた石井啓一郎氏には、本当に頭が下がります。

マルチリンガルの外国語学習法  (扶桑社新書)

マルチリンガルの外国語学習法 (扶桑社新書)

 

 
 はるる