約束

先日、初めて「関口知宏 ヨーロッパ鉄道の旅」なるテレビ番組を観ました。

 理由は簡単で、私が興味を持っているハンガリーの特集だったから。

 その番組の中で関口さんが作詞・作曲された歌で、ハンガリー語に訳されてうたわれた歌に、いたく心を動かされ、ここにアップする次第。(いつまでが視聴有効期限なのかは、NHKのみぞ知る、ですが。)

 歌の題名は、約束(Ígéret)


http://www.nhk.or.jp/bs/sekiguchi-tabi/special/song.html


 「善き友を得たいならば
  本当の自分でいなさい
  本当の自分を知りなさい
  本当の自分を取り戻しなさい」

 只今、”When Marnie was There”を読書中。孤独な主人公アンナの気持ちが分かるなあと引き込まれて読んでます。

When Marnie Was There (Essential Modern Classics)

When Marnie Was There (Essential Modern Classics)

 はるる

魂の深い小説

 お久しぶりです(って、どなたに挨拶しているのやら)。

 前回からずいぶん経ちました。その間に、無事に復職し、通常の生活に戻ることができました。
 この一年間は、私の魂における、善光寺の御戒壇巡りのような経験であったように感じられます。

 ところで、私はあまり小説を読みませんが、そんな乏しい小説読書経験の中でも、時たま、魂のレベルにおいて、品格とその深さが群を抜いていると感じ、背筋を正される思いになる作品に出会うことがあります。
 今日読み終えた、石牟礼道子の『アニマの鳥』は、私にとって、そういう小説でした。

 
[rakuten:webtenshindo:10004084:detail]


 これは、いわゆる「天草・島原の乱」に関する小説です。

 これまで、この乱に関し、専門家の手による書物を中心に、私は何冊か読んできました。
 が、『アニマの鳥』を読んで、私は、乱に加わった一人ひとりの心をこれ程までに深く表現されていることに感銘を受けると共に、歴史とは、魂の尊厳を持つ個々人が織りなす血の通ったもので、名も残されぬ者たちの想いと人生に心を寄せ、敬意をもってそれに触れようとする営みなのだということを教えていただいた思いがしました。

 最終章である第十章「炎上」を読みながら涙を流し、最後の一文を読み終えた後は、しばし粛然とした気分に包まれて、空を眺めていました。

 石牟礼道子の文学を、母語で読むことができるのは、一つの幸いだと感じます。

 石牟礼さんの『椿の海の記』も素晴らしかったのを思い出しました。
 『苦海浄土』については、私ごときが語るに及ばず。

 

苦海浄土 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)

苦海浄土 (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 第3集)

 初めて『苦海浄土』第一部を読んだときの衝撃は忘れられません。

 はるる 

いくつかの言葉

「生命はすべて
 その中に欠如を抱き
 それを他者から満たしてもらうのだ」(吉野弘「生命は」より)



「どんな能力をもって生まれたかは 大した問題ではない。
 重要なのは与えられた能力をどう使うかである。」

「未熟な自分を責めている限り 幸せになれない。
 未熟な自分を認めること。
 それができる者だけが 強い人間になれる。」(A・アドラー



「虫たちは、精一杯、いま、ここを生きて、
 力をつくして じぶんの務めをなしとげる。
 じぶんのでない生きかたなんかけっしてしない。」
                (長田弘「ファーブルさん」より)

 
 下のは、誰が作ったのか、分からないものですが、いただきもののカードに書かれていたものです。共鳴する部分があったので、ながいですが、全文、引用します。

 幸福宣言


幸せになることに決めます。

他人も 幸せにします。

喜びを はっきり表現し

奇跡に満ちた この人生を熱烈に愛します。

ああして欲しい こうなったらいいんだがと

空だのみばかりするのはやめて

一瞬一瞬の人生を大切にします。

積極的な考え方に切り換えて プラスのボタンを押し続けます。

  楽天的に  平静に

  信頼して  愛をもって

今日もまた 祈り 神に感謝を捧げます。

  黙想したり ほほ笑んだり

  笑ったり  口笛を吹いたり

  歌ったり  踊ったりします。

感動をもって すべてのものを視て

胸いっぱいに 自由の空気を吸い込んで

とことん 自分らしく 生きてみます

堂々と 王者のようにふるまいます。

死の瞬間に至るまで。

神さまをいきいきと 実感します。

身体すみずみや 考えや感情の中に

そして魂の奥深くに

永遠の命と復活を確信しつつ

生きていきます

 はるる

ご無沙汰してます

 個人的に非常に辛く、厳しかった2015年が過ぎ、2016年を迎えました。(いや、日本も世界も大変な年でしたが。)

 昨年は思いがけず自分が自死遺族となり、精神的にも肉体的にも大変な時を通りました。現在は、少しずつ回復していっています。

 その間に、本当にいろんな人びとの助けやお祈りをいただいたし、これまで自分が考えたこともなかった「自死遺族」という人々について祈るようにもなりました。

 遺体発見後に急性PTSDにもなり、大変なショック期の中で、やはり私は愛する本にも大いに助けられました。

 一番の支えは聖書でしたが、その次に大きな助けになったのは、アイリス・ボルトン(前島常郎訳)『ミッチ 隠れた贈り物』(エムティーエム 2013年)でした。

 その中の一節は今も支えになっています。

 著者のアイリスは、自分の息子が自ら命を絶ち、その葬儀の前に著者と親しい関係にあった精神科医(アイリスの職業はカウンセラーだった)から、二つのことを言われます。一つ目はまだ受け入れられましたが、二つ目はその時、彼女も、彼女の夫も、到底受け入れられるものではない内容でした。

 

 二番目は、少々受け取りがたく、信じられないかもしれませんが、あえて申します。
 息子さんの死には、贈りものが隠されています。今はまだ信じがたいかもしれませんが、嘘は言いません。もし探すお気持ちがあるならば、必ずやおふたりのものになります。
 他人の目には見えないでしょう。それでもこの贈りものは本物で貴重なものです。おふたりがその気になりさえすれば、きっと見つかります。(30p)

“The second thing is more difficult to grasp,” he continued carefully. “You have no reason as yet to believe what I am going to tell you, but I ask you to hear me with an understanding heart. There is a gift for you in your son’s death. You may not believe it at this bitter moment, but it is authentic and it can be yours if you are willing to search for it. To other eyes it may remain hidden. The gift is real and precious and you can find it if you choose.”


 私にとって、この言葉は非常に支えになりました。
 あの死に贈りものがあるという考えは、もちろんなかなか受け入れ難く、苦しいものでしたが、それでも、私にとって、この言葉は本当に闇の中の光でした。

 
[rakuten:passio:11485298:detail]

 翻訳された方も、ご自身の娘さんを自死で喪われたとのこと。

 この本を訳していただいたことに、本当に感謝しています。

 アイリス・ボルトンさんはまだご健在で、講演活動などされているようです。(以下のは2013年のものですが)。

 


 にしても、新年に入って私が読了した本第一号が、いきなり、『北朝鮮14号管理所からの脱出』というのが、なんともはや。
(数年前にフランスに滞在していた際に、この本の著者と本についての記事を目にし、それをなんとかフランス語で解読して、この本読んでみたいなあと、思った記憶があったので、思わず書店で見たとき、買ってしまったのであった。)
 
[rakuten:guruguru-ds:11282632:detail]

 こういう事実を知って何もしないのは、知らないのと同じだなあと思いながら、何をどうしたらいいか考えあぐねています。
 どっちみち、今はエネルギーもなく、どうにもならないのですが…。

 もっとも、年末に読んだのは『おしゃれと人生』。
 着る服がないと悩める、多くの中年女性の一員として、読んでみるかと読んでみました。
 

 相変わらず、無茶苦茶な、一貫性のない読書であります。

 本に助けられたといえば、昨年後半は、梨木香歩の本にも支えられました。梨木さんにはまりまくって、ひたすら彼女の本を読み漁り、ほぼ全部読破したほど。

 非常に影響を受けたのは、『裏庭』『f植物園の巣穴』『からくりからくさ』『僕は、そして僕たちはどう生きるか』かな。
 エッセイ集からも影響を受けましたが。

 あと『家守綺譚』のシリーズも好きですね。このシリーズ、もっと描いて下さらないかしら。

 続編の『冬虫夏草』も面白かったですが、スピンオフ作品のような『村田エフェンディ滞土録』の世界の広がり方の方が、個人的にはしっくりきました。
 パリ襲撃事件の後、これを読み返す意味があるなあと思いました。

 

 あ、『りかさん』も好きです。りかさんも好きですが、あのおばあさんが特に好き(と、読んだ人にしか分からないことを書く)。

 

 
 それと、『海うそ』を読んだときは、これは近代日本における宗教と精神の問題を扱っていてすごいという印象を受けました。
 
 

 はるる

Aran Bell

 数年前にドキュメンタリー映画「ファースト・ポジション」を観たことがあります。
 YAGP(ユース・アメリカ・グランプリ)に出場する6人の子供たちを追ったものでした。

 映画のオフィシャルサイト。 http://www.firstposition-movie.com/

 


 YAGPについてはこちら。 http://www.yagp.org/japan/index.html
 
 そこに出てくる6人のうち、特にアラン・ベルのその後が私は気になっていました。
 
 で、ふと今日思い立って検索してみたら、下のインタビュー記事(2015年4月12日)が出てきまして。
 自分のために、ここにアップしてしまいます。

 http://nycdanceproject.com/tag/aran-bell/

 で、今はABT(アメリカン・バレエ・シアター)のStudio Companyで研鑽を積んでいる様子。
 月曜から金曜まで、ABT Jacqueline Kennedy Onassis School でバレエ漬けの日々なのでしょう。

 ABT Studio Company の目的等は、サイトによれば:
 

 American Ballet Theatre’s Studio Company is a classical ensemble made up of 14 dancers of outstanding potential. The mission of ABT Studio Company is to train young dancers (ages 16-20) in preparation for entering American Ballet Theatre’s main Company or other leading national and international professional ballet companies. The program serves as a bridge between ballet training and professional performance.

 アラン・ベルはABT入りを目指しているということですね。バランシンがいたところよね、ABTって。名門だ。
 是非、ここでプリンシパルになって欲しいなあ(勝手なお願い。)
 そして、いつか、映画の中でデニス・ガニオが予言したように、パリ・オペラ座のエトワールになっておくれ。

 http://www.abt.org/education/stu_co_dancers.asp

 

 今、日本語で検索したところ、映画に取り上げられた6人のその後について、ちゃんとまとめて下さった方がおられましたわ。
 多謝。

http://cestopis.exblog.jp/22353800/


 はるる

 

 
 

ご復活おめでとうございます

 ご復活おめでとうございます!

 なかなか更新できないままに日が経っていますが、また新年度が始まりました。
 仕事も山積状態でちと青ざめつつ、今年の復活祭を迎えました。

 最近はまた、松下竜一を読み返しています。
 脱原発運動が勢いを失いつつあり、どのように続けていけばいいのか途方に暮れる
思いもあり、もう一度、この方から学びたいと再読中。

 で、3月に出た『いま、松下竜一を読む』も一気に読みました。
 

 副題の「やさしさは強靭な抵抗力をなりうるか」を全編貫く経糸としたこの本は、
最後に「なる!」と、答えています。
 この一つの問いをめぐって、松下竜一さんの思想と行動を読み解くこの本に、感心
しました。

 それと、昨日読み終わったのが内田樹鈴木邦男の対談本『慨世の遠吠え』。

慨世の遠吠え

慨世の遠吠え

 内田樹の本質は哲学者というより、レヴィナスに裏打ちされた武道家だったのか。
(なんて感想が浮かんでしまいました。)

 それと、鈴木邦男の笑顔があまりに素敵なので、ほおと感心(というのも、変ですが)。

 内容は、これまで二人の著作をそれなりに読んできた私としては、ああ、持論を展開
されてますねということが多かったような気がします。
 だから、なおさら合気道関連の話が興味深かったのかもしれません。
 私の個人的生活の中でも、合気道とは妙なご縁がありますし。
 
 あと、先日購入して、時間を見つけて読もうと思っているのが、多和田葉子の『言葉と歩く日記』。
 日本語で書いた自作をドイツ語に翻訳するという行為を行っている最中の考察を綴ったものかなと思い、読んでみようかと。


 それと、若松英輔『生きる哲学』も買いました。

生きる哲学 (文春新書)

生きる哲学 (文春新書)

 若松氏の『吉満義彦』を読み―実はまだ読了していないけど(^^;)―、この方の著作をもう少し読んでみたいと
思いまして。

 はるる
 

ISISとアメリカ

 最近読んだ記事で、びっくりしたのがアメリカがこっそりISISに武器供与しているというものでした。

 Terrorists Supported by America: U.S. Helicopter Delivering Weapons to the Islamic State (ISIS), Shot Down by Iraqi "Popular Forces" - Global ResearchGlobal Research - Centre for Research on Globalization


Farsnews


Iraqi Army Allegedly Downs A US Helicopter For Providing Weapons To ISIS: Report


 ついでにイギリスもISISに武器を渡しているというのが、下の記事です。

 Farsnews

 いやあ、国際政治って、魑魅魍魎が跋扈しているというか、複雑怪奇ですね。
 (いや、本当は単純なのかもしれませんが、外交だの軍事なんて分からんもんね〜のおばさんには奇々怪々です。

 という私が読み始めているのは、『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか』です。

 

 しかし、もう少し心洗われるような本を読みたいなあと感じる昨今。
 
 山村暮鳥の「いちめんのなのはな いちめんのなのはな…」とかああいうものを読みたい気がしてます。

 はるる