今更ながら『最強のふたり』
家人がレンタルカード更新の際に一つ無料で借りていいと言われたから、とフランス映画『最強のふたり』を借りてきたので、昨夜視聴しました。
フィリップ(白人の富豪)の車椅子を、スピードが出るように改造して走るこのシーン、好きでした。
観終わって爽やかな味わいが残る映画で、ユーモアもたっぷりだし、確かにフランスで歴代2位の大ヒットしたというのも、日本でもフランス映画では史上最もヒットした映画になった(と読んだ気がする)のも、分かります。
映画のあらすじは以下を参考にして下さいませ。
http://saikyo-2.gaga.ne.jp/
アメリカ映画では、雇われた側に代表される弱者の黒人が雇う側に代表される強者の白人を幸せにする…というパターンの映画は沢山あって(『ドライビング・ミス・デイジー』とか『グリーンマイル』とか)、それがよく批判の対象となるので、これも同じ構造っていえば言えてしまうかも…。
なんて後でちょっぴり考えましたけど、観ている間はすごーく楽しみました。
いい映画観たなあという幸せ感がありましたね。
また、両者の生活や環境には明確に格差があるし、彼らがもともと住む二つの世界は平行線をたどり続けるのではありますが、ある種の対等さもあるかなあ…と、後から映画の内容を振り返った時に思ったりもしました。
誕生日のシーンでは、「高級」な趣味(クラシック音楽愛好)を持つフィリップが、自分の趣味をドリスに対して「教育」しようとしている印象があって、「ん?」と思っていたら、ちゃんとドリスが、俺のも聴けよ!とアース・ウィンド・&ファイヤーをかけてフィリップを「教育」したので、おお!と感動したり(このダンスシーン、最高!)。
ドリスもとても面白かったのですが、私はフィリップさんのキャラクターに強烈な印象を受けて、ちょっと彼について調べてみました。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Philippe_Pozzo_di_Borgo
映画の中でははっきり出てきませんでしたが、そうか、この方、貴族だったのね。
それでもって、シャンパンの老舗とやらのポメリー社の重役だかをなさっていた、と。
あの内装に飾られた邸宅、納得だわ。
フィリップさんは、ポッツォ・ディ・ボルゴ公爵家の一員かあ。
なんだかイタリア系のお名前みたいと思ったら、この家、コルシカ島の旧家で、ボナパルト家とも血縁関係があるんだ、ふ〜ん。
でもナポレオンとは敵対したみたいです。(私のフランス語理解が正しければ。)
http://fr.wikipedia.org/wiki/Famille_Pozzo_di_Borgo
シャンパンのポメリー社についてはこちら(↓)。
http://www.awachef.com/pommery.html
ところで、この人が書かれた著書の日本語訳があるんですね。
『A Second Wind』と英訳題名そのままで出版されていました。
- 作者: フィリップ・ポッツォ・ディ・ボルゴ,田内志文
- 出版社/メーカー: アチーブメント出版
- 発売日: 2012/08/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ちょっと読んでみたい。図書館にないかしら。
ついでに、あのドリスのもとになったアブデルさんも本を出しているのを発見!
その題もずばり『You Changed My Life』。
- 作者: Abdel Sellou
- 出版社/メーカー: Hachette Books
- 発売日: 2012/07/10
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アマゾンで少し最初のページが読めるので読んでみたら、この方、4歳の時にアルジェリアからフランスに移民してきた人なのですね。
すごく平易な英文なので、いつか読んでみてもいいな…。
映画では、どれくらい、この介護―被介護の関係性が続いたのかよく分かりませんでしたが、どうやら10年間アブダルさんはフィリップ氏の介護をしたようです。
映画の最後に、ドリスは今会社を持っていると書いてありましたが、何の会社かしら。
この映画はもともと2003年にフランスで放映されたテレビのドキュメンタリーに触発されて誕生したようですが、そのもとの番組『A la vie, A la mort』を観てみたい。(日本語字幕、無理ならせめて英語字幕 S.V.P)
一部はYOU TUBEで観ることができますが。
その一部なのか、日本語字幕付きのものもありました。
本物のフィリップさんのインタビュー映像も貼り付けておきます。(英語でインタビューを受けている。しかし、正直言って、私にはインタビュアーの英語は分かっても、彼の英語は分かりにくかった!)
こんなことしてないで、仕事にかからないと。
はるる