バスティーユのデモ
お久し振りです。
まだパリにいます。
というより、今日からが本格的な仕事の第二弾が始まります。
仕事第一弾が終わってから、10月1〜8日までルーマニアのトランシルヴァニア地方を旅行しました。友人がいるので。
友人は皆、この地方のハンガリー系ルーマニア人なので、母語はハンガリー語で、私が初級レベルのハンガリー語を話すたびに、ものすごく驚き(その反応が面白かった)、かつとっても喜んでくれて、こちらも励みになりました。
(フランス語で同程度のことを話しても、フランス人は全然驚いたり喜んだりしないので、なおさら印象深かった。それだけハンガリー語は世界において「小さい」言語で、フランス語は英語の後塵を拝していても、「大きい」言語なんだなと感じました。)
またいつか、ルーマニア旅行について書ければいいなと思います。
ところで、一昨日の13日、パリのバスティーユで行われた、反原発デモに参加しました。
ザンザン降りの雨の中、パリ在住の日本人たちが立ち上げた「よそものネット」という組織と、フランスのいくつかの反核団体が一緒になって、10月13日を皮切りに、これから毎月一回行うことになったという、この反原発デモ。
ヨーロッパに住む日本人が、日本の原発政策について語ると、所詮あなたたちはよそ者なんだから、口を出すなと言われたとかで、彼らがパリで立ち上げた組織は、その名も「よそものネット」。
下は、東京新聞オンラインの記事から。(2012年10月9日夕刊)
【パリ=野村悦芳】海外に住みながら日本の脱原発を願う日本人の声を一つにしようと、フランスに住む日本人有志が中心になって、国際的なネットワーク「よそものネット」をつくった。デモや署名集めなどで海外在住者の連携を呼び掛け、日本の脱原発の現状や問題点をそれぞれの国に発信していきたいとメンバーは意気込んでいる。
よそものネットは、インターネットのメーリングリストを活用したゆるやかな連携グループで、パリの日本人有志を中心に九月発足した。今年六月、大飯原発再稼働反対運動への賛同者をフランスで募った際に、ドイツなど他国に住む日本人と交流したのが結成のきっかけだった。現在、仏、独のほかスイス、オランダ、カナダなどの日本人約二百人が登録している。
デモというから歩くのかなと思っていたら、どちらかというと広場にいて延々といろんな人のスピーチを聴くという形式でした。(あまりに寒く風邪をひきそうだったため5時過ぎに私は帰ってしまったので、その後、もしかしたら歩いたのかも。)
もともと福島在住で、事故後、ご主人がフランス人であることから、フランスに避難している女性のスピーチ(とってもフランス語がお上手で、それにも感銘を受けました)、マンチェスター在住で、福島の子供たちを助ける組織を立ち上げた日本人の若者のスピーチには、感動しました。
また、フランス人の演説のなかで、パリから90キロのところに30年稼働している原発があって、これが重大事故を起こしたらパリは終わりだ、福島は他人事ではないぞという話があって、おお、そうだったのか、原発があるところはどこも「ダモクレスの剣」状態なんだなあとつくづく思いました。
どうでもいいですけど、フランス人の演説を聴きながら、フランス語って本当に演説に向いた言語だなあと感心してしまった。
フランス人の発声法はおなかから声を出すから大変力強いし、論理は明晰だし、非常にクリアに一語一語発音しながら話すので、「なんて美しい言語なんだ!」と感動すると同時に、(内容がそんなにわかるわけでもないくせに)妙な説得力も感じてしまいました(^_^;)。
日本に帰ったら積読状態になっている『原発大国フランスからの警告』を読んでみようと思っています。
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