エンジン始動
仕事がもう待ったなしになってきまして、今日は真面目にやってました。
地域からの世界史シリーズの『西ヨーロッパ』上を猛スピードで読み、頭の中を整理。入門書ですが、キリスト教の歴史を考える上でいくつかヒントをもらいました。読んでよかった本でした。こういう本を出版していただいていると助かります。どうもありがとうございます。(と、ここで礼を言っても著者の方にも出版社にも伝わらないか。)
- 作者: 佐藤彰一,松村赳
- 出版社/メーカー: 朝日新聞
- 発売日: 1992/09
- メディア: 単行本
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以前、12世紀から13世紀にかけて、キリスト教の心性が劇的に転換したということを読み、その背景をもっとよく知りたいと思っていましたが、キリスト生誕(もしくは復活)後1000年で世の終わりが来るという恐怖を抱いていたヨーロッパ人にとって、1033年(
キリスト復活から1000年)も何も起こらず過ぎ去ったことは、最後の審判への不安の解放と同時に新しい神理解につながったということを、この本を読んで知り、腑に落ちる思いがしました。
厳しい審判者という神から、寛容で慈しみ深い神へと神イメージが変化した。このことが、その後の様々なキリスト教の変化(神秘主義の高揚、信徒運動など)を生み出す原因の一つになったというのは、うなずけます。
12世紀以降、それまで「神の戦士」とされていた修道者が「キリストの花嫁」であると考えるという意識の大転換や、キリストの人性への黙想・観想が進んだ時に、女性がキリストの苦しみ、キリストの母性を発見し、13世紀に女性神秘家が輩出するということが、こうした神への根本的な認識の変容と関係しているであろうと思うと、すごくわくわくしてしまいました。
この私の理解、間違っているかも知れませんけど、今のところ、私としてはこれで一つの有機的な歴史像を得られて、嬉しいのでありました。
それからエマニュエル・トッドの『新ヨーロッパ大全』に取り掛かり、ただ今これを読んでいる最中です。エマニュエル・トッドの観点は大変面白くて、彼の主張を荒唐無稽と無碍に退けられないのではと西洋史の素人は思いますが、これは専門家の間ではどんな評価なんでしょう。
例えば、なぜ、フランス南部はプロテスタンティズムを受け入れ、北フランスはきっぱりと拒んだのか?
それを解く鍵は各地域の家族制度にあるというトッドの説。刺激的です。
彼は時間ばかり見て人類学的空間を考慮に入れない歴史家を批判していますが、うーん、そうかもなあ。と、簡単に説得されてしまう私…。
- 作者: エマニュエルトッド,Emmanuel Todd,石崎晴己
- 出版社/メーカー: 藤原書店
- 発売日: 1992/11/01
- メディア: 単行本
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ところで、私のパソコン、またもや調子がはなはだ悪く、もうこれは修理に出すより新しいのを買うかと覚悟を決めつつあります。2001年に買ったから、まだ5年くらいしか使ってないのに。やはりPCは消耗品なのでしょうか。なんだか悔しい。
それにしても、パソコンを騙し騙しこうやってブログ書いているというのもなんだか複雑な気分です。
はるる