年末に向かって

"Well,for most people in Japan, Christmas is just another workday."
NHKラジオの英語講座で言われてしまうくらいに、クリスマスに宗教的意味合いが薄い日本で、クリスマスは足早に去り、世の中は既に正月に向かって小走りに駆けてます。(キリスト教国じゃないんだから、当然なんですが。商業的であれなんであれ、クリスマスがここまで定着しているというのが、不思議なかんじ。戦前の日本のクリスマスについて書かれた本を読みたかったんですが、時間がありませんでした。)

 私も明日から広島、ついで九州へと向かわねばなりませぬゆえ、本日中にやらねばならない買い物に駆け回り、これから歯医者に行く間を縫って更新しております。

 買い物と買い物の間に地下鉄で移動するので、その間読んでいたのが『笹塚日記』。

笹塚日記

笹塚日記

 読んでいる時、目黒さんは家庭がおありのはずなのに、連日会社に泊まっておられるが、果たしてこの方の家庭はどうなっているのかと他人事ながら気になってしまいました。
 途中で、週末は家に戻っているらしきことが判明し、ちょっとほっとしましたが、しかし、土日は競馬に出かけているわけで、親子の対話とか夫婦の絆とかどうなっているのだろーかと余計なお世話ながら心配したりして。
 こんな本に意味があるのかという趣旨のことを、「あとがき」に著者本人が書いておられましたが、少なくとも私にとってはよい気分転換本になりますよ、目黒さん。
 なお、第二弾の『笹塚日記 親子丼篇』や第三弾の『笹塚日記 うたた寝篇』も読んでみたいと思ってはおりますが、時間がありますかねえ。

 それと、毎日専門書ばかり読んでいたせいか、事実じゃないものを読みたい!論理性を重んじた水気のない乾いた文体ではなく、もっとこう水分を含んだものが読みたいんだあ!という欲求がつのり、いきなり『しゃばけ』に走りました。

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

しゃばけ しゃばけシリーズ 1 (新潮文庫)

 肩のこらない読み物で、上記の心理状態の時にはぴったりの小説。これには、かわいい、無害な妖怪がわんさか出てきます。(害をなすやつもいるが。)キャラクターを楽しむ小説って感じですね。話そのものを楽しむというよりも。
 からだが弱くて寝付いてばかりの若旦那、いいですね。腹をきめてやらねばならないことから逃げないで向き合おうとする姿勢は、すがすがしい。17歳。いいね。
 でも、私としては、若旦那の幼馴染で、菓子の腕がからっきし駄目な栄吉の将来の方が気になります。菓子屋に生まれたばかりに全く向かない菓子職人にならねばならないというのが、気の毒。彼の明るい未来の話はないんでしょうか。

 妖怪の中では屏風のぞきが好きです。自分の主人は自分だ!と言い切る辺り、いいぞお。
 
 なお、強い、強いといわれている割にはいざとなると役に立たない、若旦那にお仕えしている犬神と白沢は、妖怪である必要があるんでしょうか?これはシリーズになっているので、続きを読めば納得できるのかもしれませんが・・・。

 後、これはとってもいいから、と友人に手渡されて、その場で読んで感動したのが『大切なきみ』でした。

大切なきみ (フォレスト・ブックス)

大切なきみ (フォレスト・ブックス)

 イエスのメッセージをうまく表現しているなあと感心しました。

「仲間がどう思おうと、かまやしない。パンチネロや。大事なのは、このわたしがどう思うかなのだ。わたしはおまえさんのことを、かけがえのない宝だと思っているのだよ。」
「おぼえておくんだよ。おまえさんを作ったのはこのわたしだ。だから、おまえさんはそのままで、尊く、かけがえがないということを。そして、わたしは間違うということがないということも。」

 明日の旅行にはたぶん、水村美苗の『本格小説』上・下を持っていくはず。でも、他に何を持っていくかが、今の私の課題です。仕事関連の本にするか、この際だから関係のない積読本から選ぶか?

本格小説(上) (新潮文庫)

本格小説(上) (新潮文庫)

 しかし、その前に年賀状を書かねば。ああ、まだまだ、やることはたくさんある〜。

では、皆様よいお年を!私の2006年正月は松山です。10数年ぶりに実家で正月三が日を過ごします。
更新は正月明けになるでしょう。2006年が皆様にとってよい年でありますように。

 はるる