風邪をひきつつ考える

 週末に見事に風邪を引き、その後寝込んでおりました。
 とはいえ、仕事はしなければならず、鼻をぐずぐずさせながらやっています。人から顔色が悪い、肺炎になっていたら大変だ云々と心配されたので、念のため、明日医者に行こうかなと思っております。ただの風邪であってくれい。

 ところで、前回の続き(しつこい!)で、明治政府以外の政府が日本に存在する可能性に関連する本として、『奥羽越列藩同盟』を挙げておきます。
 私がこの本を読了したときの感想を一言で言うなら、今まで私が信じていた幕末維新期の日本史像って何だったんだ?でした。歴史を薩長の側からしか見てなかったんだと痛感。もっと近代日本を多面的に理解する必要を感じます。

奥羽越列藩同盟―東日本政府樹立の夢 (中公新書)

奥羽越列藩同盟―東日本政府樹立の夢 (中公新書)

 ついでに、『新選組』(岩波新書)も挙げておきます。近藤勇の思想的変遷をたどったこの本、私には一番しっくりきました。
 歴史小説、特に新撰組関連のようなたくさんのファンを持つような歴史的人物を扱った小説は、書き手の思い入れが入って書き手の願望を投影した人物の描き方になる気がして、本当かなあとついつい疑いの眼で見がちな因果な性分の私には、こういう地味な研究本が一番、落ち着くのかも。

新選組 (岩波新書)

新選組 (岩波新書)

 前から、新撰組というと、土方や沖田ばかり光が当たっている感じが不思議だったんですが、要するに、司馬遼太郎さんの『燃えよ剣』『新選組血風録』の威力がすごかったからなんですね。司馬遼太郎の筆で、おつむが軽い男みたいに描かれた近藤は割を喰ったわけだ。気の毒に。

 私は『新選組!』の土方さんは好きだけど、実際の人物も好きだといえるかどうか、自信ないです。土方が京都で女性にもてもてで山ほどもらった恋文を故郷の家に送って自慢したなんて話を聞くと、…バッカじゃなかろうかと思ってしまうし(全国の土方ファンの方、ごめんなさい)、新見錦に詰め腹切らせるやり方など見ていると、この人、頭いいけど性格悪いと思ってしまうし。(←どこが土方ファンなんでしょうか。)
 で、気がついたんですけど、私は近藤と別れてからの土方に興味関心があるのであって、京都の新撰組全盛期の土方にはさほど興味ないんですね。
 ま、いずれ、元気になって時間があるときにでも、またこの話に戻る(かも)。

 みなさまも風邪をひかないよう、ご自愛くださいませ。では。

 はるる