秋ですね

「触れられて哀しむように鳴る音叉 風が明るいこの秋の野に」(長井陽子) 

「秋霊はひそと来てをり晨(あした)ひらく冷蔵庫の白き卵のかげに」(小島ゆかり) 

 次第に空気や光に感じられる秋が深まってきているので、ブログの雰囲気を変えてみました。

 『仏像のひみつ』をさらさらと読了。もともとは東京国立博物館での子供向け企画に基づいて作られたこの本、分りやすく頭に入りやすく、仏像初心者にはうってつけの本のように思われました。
 子供が分るように説明するというのは、本当によく分かっていないとできない技なので、著者の山本勉氏に敬意を抱きましたよ。

仏像のひみつ

仏像のひみつ

 この本の第一章で、如来が歯が40本あるとか、実は手にも足にも水かきがついているなど如来の「ひみつ」が書かれていますが、私はかつて加門七海の(記憶違いでなければ)『うわさの神仏』に同様のことが書いてあったのを読んで「ええっ、そうだったのか!」と驚いた経験があったので、へっへ、もう知っているもんね〜などと、ひそかな優越感なんか感じたりして(そんなもの感じてどうするんだ)。
 しかし、そんな優越感など数ページで吹き飛び、後はひたすら、へー、ほー、ふーんと感心しながらページをめくっておりました。
 いやあ、仏像、奥深し。
 個人的には2章の仏像の作り方の説明に感銘を受けたかな。金剛仏の作り方の図解とか、こういうことについて呑み込みの悪い私でも、なんとなく分ったような気にさせられましたもん。(じゃ、そらで説明してみろよと言われても困るけども。)

うわさの神仏―日本闇世界めぐり (集英社文庫)

うわさの神仏―日本闇世界めぐり (集英社文庫)

 えーと、加門さんの本、たぶんこの本だったと思います。立ち読みですませたもんで…すみません。とても面白い本だったんですけどね。
 ひよっとしたら、第二弾のほうだったかも知れない…。
 
うわさの神仏 其ノ二 あやし紀行 (集英社文庫)

うわさの神仏 其ノ二 あやし紀行 (集英社文庫)

 加門さんの本はあまり読んだことがありませんが、『晴明。』に出てくる晴明像は結構好きでした。(おそらく、この小説の晴明さんははっきり好き嫌いが分かれる描き方になっていると思います。嫌な人は腹が立つくらいとことん嫌かも。)
晴明。―完全版 (ソノラマノベルス)

晴明。―完全版 (ソノラマノベルス)

 あと、『風の音を聞け』(という題名だったと思うのですが、図書館で借りてよんだので、うろ覚え)が面白かった記憶があります。
 実はこの小説は未完で、続きが読みたいのに加門さんは書くのを放棄してしまわれたみたい…。
 物語がまさに佳境に入ったところで途切れているので、読む側としてはつらい。あの後どうなるのか、加門さん、どうか続きを書いてくだされい!

 いや、こんなことを書きたかったのではなかったはずなのに、どんどん話がずれてしまいました。
 今さら、軌道修正も面倒なので、本日はこれにて。

 はるる