『ボビー』

 昨夜、仕事を少し早く切り上げて、観に行ってきました、『ボビー』。

 個人的には、大画面でRFKの姿を見られて、たっぷり彼の声が聞けたから、もうそれだけで大満足で、☆5つ!という気分ですが、世間的には結構評価、厳しいみたいですね^^;。少なくとも、チェックして回ったアメリカのレビューは、かなり点が辛い。チェッ。
 いいんだもん。私はRFKの実写フィルムが大画面で見られれば。
 いや、映画としても、結構出来はよかったと思いますよ。(ボビーの姿に目をくらまされているので、私の評価はあてにならないケド。)私好みでした。
 特にメキシコ人のホセの話は気に入っています。
 それと、チェコからやってきた記者の話も好きだな。
 1968年は「プラハの春」だったんですね。
 映画を観るまで時代的なつながりについて全く考えが及びませんでしたが。
 RFKが殺されて二ヵ月後にはもう、チェコ事件だもんなあ…。それを思うと、なおさら悲しい。
 
 ちなみに、日本のとアメリカの予告編はそれぞれ作り方がちょっと違っていて面白かったです。使用している映像はだぶっているものが多いんですけどね。

 アメリカでの『ボビー』の公式サイトはこちら↓。
 
 http://www.bobby-the-movie.com/

 
 ところで、映画の冒頭、次々とRFKの実写フィルムをつなげて見せる部分に、チラッとセザール・チャベスと共にいるボビーが出てきて、おっと思いました。
 最後のクレジットが流れるところでもたくさんボビーの写真が出てくるんですが、そこでもチャベスとRFKがミサでホスチアを分け合う、私の大のお気に入りの写真が映し出されて、とても嬉しかった。
 チャベスとRFKの関係は、私の大好きな話なのです。

 セザール・チャベスといっても日本ではあまり知られていないのではと思いますが、彼はカリフォルニアのメキシコ系農業労働者を組織して、NFWA(The National Farm Workers Association)を創設した人です。(ちなみに『ボビー』のラスト近く、暗殺される直前のRFKが勝利の演説をしているとき、横にこのNFWAの帽子を被った女性が立っています。)

 詳しいことは下記のサイトなどを参照してみて下さい。

http://clnet.ucla.edu/research/chavez/
http://www.lasculturas.com/aa/bio/bioCesarChavez.htm

 RFKとチャベスは出会うとすぐに意気投合し、互いに尊敬しあう関係にありました。
 私が好きな話というのは、1968年初頭、チャベスがNFWAに対し非暴力を訴えて*1長期のハンストに突入し2週間以上頑張ったため、メキシコ人労働者たちがこのままだと彼は死んでしまう、今我々のリーダーを失うわけにはいかない!と心配し、チャベスにハンストをやめるように話せる人はこの人しかいない!と、ハンスト中止の説得を嘆願するスペイン語、英語の手紙がRFKのもとに押し寄せたというエピソードです。

 RFKがカリフォルニアに駆けつける直前、チャベスは自分の主張は組合に受け入れられたと25日間でハンストをやめたのですが、長期のハンストの締めくくりとしてミサがあり、RFKはそれにチャベスと共に出席しました。
 立ち上がる体力が残っていなかったチャベスは毛布にくるまって椅子に座り、その横に座ったRFKとホスチアを分け合いました。それが、先述した写真として残っているわけ。

 チャベスについては、かなり関心があり本も持っているのですが、ちょこちょこ拾い読みしただけで、まだちゃんと読んでいないです(こんなのばっかり!)

 持っているのはこの二冊なんですけれど。
 

The Moral Vision of Cesar Chavez

The Moral Vision of Cesar Chavez

 

The Fight in the Fields: Cesar Chavez and the Farmworkers Movement

The Fight in the Fields: Cesar Chavez and the Farmworkers Movement

 ボビー暗殺から12年後に、RFKの何がユニークだったんだろうかと質問されたチャベスはこう言いました。

 He crossed a line that no other American politician ever crossed.

 RFKについては、まだ続きます。ふふふ。

 はるる

*1:当時、ブラックパンサーなどの影響で、メキシコ系の運動も暴力に訴えようとする人々がおり、チャベスはそれに反対していた