松下竜一の仲間たちのその後
松下竜一を読んでいると、彼と彼をとりまく仲間との間にある、濃密な友情関係、人間関係に羨ましさすら感じますが、ふと、思い立って、環境権訴訟を起こした頃の仲間の中で、毛糸屋さんから転じて市議会議員になられた釜井健介さんと、九州大学で万年助手だという坂本紘二さんはその後どうなられたのであろうと、ちょっと調べてみました。
いやあ、調べてびっくり!
釜井健介さんは、なんと豊前市の市長になられて、現在4期目!
この豊前市のホームページにある「市長の部屋」をご覧あれ。
http://www.city.buzen.lg.jp/sisei/sicyou/index.html
そして、坂本紘二さんも、1995年までは九州大学工学部助手で、22年間助手という、結構小出裕章先生に対抗できそうな経歴でしたが、その後いきなり、下関市立大学の教授となられ、なんと、2007年には学長に就任!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9D%82%E6%9C%AC%E7%B4%98%E4%BA%8C
以下は、坂本学長の最終講義についての内容です。
http://www.shimonoseki-cu.ac.jp/topics/topics20100204.html
松下竜一さんが70年代から少しも変わらず貧乏でしたし、無二の親友である得さんこと、梶原得三郎さんも経済的にはさほど恵まれたとはいえない境遇でいらっしゃるので、なんとなく、仲間の皆さんもそうかな〜と思っていましたが、いやはや、人生いろいろであります。
それにしても、環境を破壊する土木工学に疑問を持ってしまい、それに反対する側に与したがために、万年助手であった坂本紘二氏の扱われ方を思うと、大学という組織も怖いですね。
御出世(?)なさった後の釜井氏や坂本氏と松下竜一さんの間の関係性がどうなったのか、ちょっと興味があります。70年代のような濃密な関係性は無理だったとは思いますが、疎遠になってしまわなかったかなあとか、勝手にやきもきしたりして。(こういうのを下種の勘繰りというのか。)
釜井健介氏を含む、七人で闘った豊前環境権裁判を戯作風に書いた「小説」が、『五分の虫 一寸の魂』
- 作者: 松下竜一,『松下竜一その仕事』刊行委員会
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1999/11
- メディア: 単行本
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真面目な裁判記録が『豊前環境権裁判』
- 作者: 松下竜一
- 出版社/メーカー: 日本評論社
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どちらも面白いですが、私は『豊前環境権裁判』の方が好みです。
はるる