この夏に観た映画たち
本日、緊急事態宣言下のため、いささか気がひけながらも、今日しか機会がないから、と「トゥルーノース」を観に行きました。
収容所の実態というだけでなく、アウシュビッツのように、人間が極限状態でも人間としての尊厳を保って生きられるかという問いを突き付ける映画だったと感じました。
映画『トゥルーノース』公式サイト (true-north.jp)
8月には、この他、「東京クルド」や「サンマデモクラシー」などのドキュメンタリー映画を観ました。
「東京クルド」では、入管の人がクルド人に投げつける言葉の、恐ろしいほどの軽薄な残酷さ、あるいは、取り扱い方の非人間的な在り方に、改めて衝撃を受けました。
それに、能力ある人々を活かせない日本の現状に、これでは日本は沈んでいくばかりだな…とも感じましたし。
今住んでいる名古屋でウィシュマさんの事件が起こったので、何かしなければと思いつつ、何をしていいか分からないという感じで、映画を観て、ショックを受けて泣いているだけなら、単なる自己満足じゃないかと、悶々としています。
ドキュメンタリー映画『東京クルド』公式サイト|日向史有監督作品 (tokyokurds.jp)
「サンマデモクラシー」は、明るさがある映画でしたが、内容は結構ハード。
驚いたのは、沖縄が日本復帰する前に沖縄を支配していた琉球列島米民政府のトップである高等弁務官が、沖縄の人々に対して繰り出す仕打ちの数々が、今の中国政府が香港に対してやっていることと本質的に全然変わらないということ。
どこの国であろうと、権力をふるう者が被抑圧者にすることって、似たようなものなんですね。
その中で、沖縄の人々が米軍の沖縄支配に闘う姿は頭が下がりました。
個人的にすごい…と思ったのは、1966年に、あの悪名高いキャラウェイ高等弁務官の後継者としてやってきたアンガー高等弁務官の就任式に招かれ祈祷をした日本人牧師さんが、「新しい高等弁務官が最後の高等弁務官となり、沖縄が本来の正常な状態に回復されますように」と、堂々と本人が祈ってもらうからと頭を垂れている横で祈ったことです。その時の映像も残っていて観ましたが、ほんとに驚いた。いやあ、根性あるわ。
平良修牧師、尊敬します。
『サンマデモクラシー』公式ホームページ (sanmademocracy.com)
というわけで、今年の夏は、映画と韓国ドラマを堪能した夏でした。
結局、「トッケビ」の後、「魔女の法廷」(2018年度「両性平等メディア賞」の「優秀賞」受賞作品)と、「パートナー」と二つの韓国ドラマも観て、どちらも大変見応えがあり、質が高くて、女優・俳優の演技もレベルが高く、満足致しました。
もう仕事が本格モードに逆戻りしたので、現在、韓国ドラマとはしばしお別れしています。
はるる
トッケビにおける家事労働について
そして「トッケビ」にはまった夏
オリンピック視聴はボイコットして、韓国ドラマの「トッケビ」全16話を視聴。
「トッケビ」についての説明はこちら。
最初は、トッケビと死神のブロマンスが面白いし、物語はよくできているので、楽しく観ていたのですが、途中から、これは表面はファンタジー恋愛ものでありながら、奥に別テーマを抱いているのではないかと勝手に深読み(?)し始めて、そのテーマを念頭に置いて観てました。
下の写真が、死神。
韓国ドラマ「愛の不時着」にはまる
もともとドラマを観る習慣がない私ですが、つい、はまってしまいました。
ええ、巷で話題の韓国ドラマ「愛の不時着」を観てしまったんですね。
友人が是非とも観て欲しい!とDVDを貸してくれたもので。
私としても、「愛の不時着」の中で、北朝鮮が人間的に描かれているという話を聞いていたので、観てみたいなあ…と思っていたので、とうとう観たわけです。
で、はまった、と。
実は恋愛ドラマには関心がないため、観る前はちゃんと完走できるか、いささか不安だったのですが、いやなかなかどうして、出てくる脇役がどの人もすごくて、彼らの話がとっても良かった!
主役の恋愛模様は、「はいはい、お幸せにね」と適当に流し、脇役たちのドラマに力点置いて観てました(^-^;。
いや、主役のユン・セリ、好きでしたけどね。
(でも、個人的には、ソ・ダンとク・スンジュンを応援してました。って、ドラマを観ていない人にはわからないことを書いています。)
特に、何度も見直している場面は、北朝鮮の第5中隊の4人の隊員たちと、「耳野郎」のマンボクさんが出てくるところ。
もう大好き!
人情あふれているくせに口が悪くて照れ屋のピョ・チス、韓国ドラマ大好きのキム・ジュモク(北朝鮮軍兵士としては命がけの行為だが)、お母さん思いの純朴なクム・ウンドン、北でも南でもイケメンの、寡黙な頼れる男パク・グァンボム。いいねえ。
そして、苦悩する盗聴者、チョン・マンボク。いやあ、この人を演じている俳優のキム・ヨンミン、演技力すごい!(というか、このドラマに出てくる役者さんは、どの人も演技力が高い!)。
キム・ヨンミンさんは映画「チャンシルさんには福が多いね」で知った俳優さんで、この映画での演技も良かったし、役柄(自分はレスリー・チャンだと言い張る幽霊)も面白くて、記憶に残っていたのですが、このドラマで再会できるとは。
それと、ソ・ダンのお母さんと、おじさん!この漫才コンピ最高!
特におじさん、よく北朝鮮軍で出世してるなあ。すっとぼけた性格だけど、仕事はできる人なんでしょうか。確かに主役のリ・ジョンヒョクと仕事の話をしている時の表情は、キリリ!としてましたが。
あと、このドラマはジェンダー論から観ても面白いドラマだなと思い、日本のドラマはジェンダーの視点から見ると、まだまだという部分がおおいのではないかな~などとあれこれ考えていました。
そんな時に読んだのが治部れんげさんの『ジェンダーで見るヒットドラマ』。
なるほどね~という指摘が多く、読んで満足、と同時に、いろんなドラマを観たくなってしまう罪作りな一冊でした。
それと、勢いに乗って読んだのが雑誌『エトセトラ』第5号。
特集が「私たちは韓国ドラマで強くなれる」だったもので、つい(^-^;。
やはり、ジェンダーという切り口から考察されていて、勉強になりました。
韓国ドラマ、もうちょっと観てみたい…。
しかし、ネットフリックスに入るのはどうなのか?と、ただいま逡巡してます。
映画なら2時間で終わるし、ドラマは時間取られるし、とか。
とりあえず、最近は韓国語の学習に力が前にもまして力が入ってます。
はるる
平松洋子を読む日常
相変わらず、よろよろと仕事に追われつつ、生きております~。
日々のご飯を作り、お弁当を作り…というのをやっていて、妙になぜか平松洋子さんが気になって、彼女の本をこのところ、仕事の合間にちょこちょこ読み始めています。
はまったとまでは言えないまでも、平松さんの本を読み始めたきっかけを振り返ると、姜尚美さんとの共著『遺したい味』を読んだことだったかな、と。
実は、昨年だったか一昨年だったかに姜尚美さんの『あんこの本』を読んで、この書き手さんに興味を抱いて、その後『京都の中華』(これは名著だと思いました)
を読み、『遺したい味』も平松さんというより、姜尚美さん目当てで手にとったのです。
そして、姜尚美さんの文章を堪能するとともに、平松洋子さんもいいわね、と思ったわけですね。(姜さんの本を読みたくても、もうこれ以上刊行されていないという事情もありましたが。)
その前にも、平松さんの本は数冊読んでいましたが(そして、それはとても好きな本たちですが)、それ以上読もうとは思っていませんでした。
が、この本がきっかけで、ふと見つけた『味なメニュー』を読み、なかなか面白いなあ、と本屋にふらりと寄ったところ、小川洋子さんとの対談本『洋子さんの本棚』を見つけて、それを読んだわけですね。
そして、このエッセイストの真の姿(?)に開眼したわけです。これだけの読書量と、80年代に単身で韓国に通って韓国料理を探求するという熱量を持った人だったのかと、なんというか、氷山の海の下の部分を覗き見た感じといいますか。
それで、ただいま、息抜きに少しずつ『焼き餃子と名画座』、『おいしい日常』を並行して読んでいます。
さらに、『忙しい日でも、おなかは空く。』、『夜中にジャムを煮る』が控えております(^-^;。
あと数冊は読んでしまうかも、と思いつつ、ちょびちょびと平松洋子さんを読んでいる今日この頃です。
それに、この間、偶然、NHK教育テレビの「こんな一冊に出会いたい 本の道しるべ」という番組で平松さんの仕事場や彼女の人生にとって大事な本の紹介などを観て、ますます盛り上がっているのですね(こういう息抜きでもないと、やってられないご時世だし)。
はるる
連休
仕事に変化があって、なんだかもっと忙しくなってしまい、ついでに私生活でもいろいろあって、こちらも忙しくなり、あれよあれよと月日だけは流れていく~でもう5月。
本当に何年振りかで、5月の連休が本当に連休で仕事がありません!来年はたぶん、連休に仕事が入る筈… )
連休にどっと疲れが出て、ぐてっと休みつつ、撮りためていた「コロンボ」を視聴したりして、のんびりしています。
最近、よんどころのない事情があってガーデニングをせざるを得なくなり、本日、生まれて初めてマリーゴールドを植えるという経験をしました。うまく、根付いて元気でいて欲しいと、ちょっぴりドキドキ。なにせ、私は「茶色の指」の持ち主で、結構、いろんなものを枯らしてしまうのだ。
あと、やってみたいと思いつつ、二の足を踏んでいるのが、ぬか漬け。
最近、発酵にちょっとはまりつつあって、きゅうりやなすのぬか漬けも大好きなので、やりたいなあ、でもうまくいかなかったら…と逡巡中。でも、もうそろそろ決心しなきゃと、思ってますが。
そんな私が最近読んだ発酵関連本。
そして、読み始めているのが『発酵道』。
あ、直接、発酵に関係してないけど、『マル農のひと』、面白かったです。
土をいじる(うちにも入らんけど)ようになって、また、味噌を含む大豆食品をせっせと食べるようになって、農業に関心が出てきている今日この頃。
はるる
もう年末です
あら、気が付けばもう年末です。この間まで、暑い暑いと言っていたのに、年末はすごい寒波が来る、雪になると言っていて、あれあれ、という感じ。
仕事もかなりコロナに影響されたし。
そんな中で、今年読んでよかった本って何かなと振り返ろうとして、なんだか何を読んだかも分からなくなりかかっているのに愕然。
なんというか、大部分がリモートワークになって、それに適応するのに精いっぱいでおたおたしていて、それ以外の記憶が吹っ飛んでいる感じです。なんてこった(^-^;。
そんな中、思い出すのは、『私とあなたのあいだ』。これはよかった。噛みしめながら読みました。
それと『楽しい知識 ぼくらの天皇(憲法)・汝の隣人・コロナの時代』。
『ウジョとソナ 独立運動家夫妻の子育て日記』
毎日少しずつ、大切に大切に読んだ『霧の彼方 須賀敦子』。
目取真俊さんの『ヤンバルの深き森と海より』を読んで背中をどやされ、将基面貴巳さんの『日本国民のための愛国の教科書』に教えられ(同著者の『愛国の構造』はこれから読みます)、『シンプルなクローゼットが地球を救う』なんて読んでみたり、まあ、一のも通り、雑食読みをしてます。
今年は韓国の歴史ドラマにはまり、ただいま『大王世宗』を楽しみに視聴しているところ。もう10年以上前に制作されたドラマで、当然周りに観ている人など誰もおらず、感想を分かち合える人がいないのがちと寂しい。
で、世宗に関心を持って『世宗大王のコリア史』を読みました。
それと、ドラマでは日本でいうところの応永の外寇(韓国では己亥東征)が描かれていたので、韓国目線でなく対馬目線でも知りたいと『対馬と海峡の中世史』も手に取りました。
もうちょっといろいろ読んでみたいなあ。
ついこの間、行司千絵さんの『服のはなし』を読み終わりました。この人の服作り、好きなんですよ。私もささやかながら服を縫うので、いろいろ関心もありまして。
この正月休みには『隣の国の言葉ですもの』を読もうかなと思っています。
『香港 あなたはどこへ行くのか』も『言論の不自由 香港、そしてグローバル民主主義にいま何が起こっているのか』も積読状態で、これも読まねばならんのですが。
それでは、来年が少しでもよい年となりますように。
はるる