クリスマス

   「闇の中を歩む民は、大いなる光を見、
    死の陰の地に住む者の上に、光が輝いた。」
               (イザヤ9:1)

 クリスマス、おめでとうございます。私はカトリックなので、やはりクリスマスにはクリスマスの話題を出したいなと思いました。短歌の話題はひとまず休憩です。

 私がクリスマスですぐ連想するのは『飛ぶ教室』。

飛ぶ教室 (講談社文庫)

飛ぶ教室 (講談社文庫)

 ご存知の方が多いでしょうが、これは男の子しか出てこない物語で、水村美苗の分類に従えば「男の子もの」です。そのせいか、この本を読んだのは、大人になってからでした。出てくる大半の男の子たちも、先生方も他の大人たちも素晴らしくて、一読して夢中になりました。私の一番のお気に入りは、強くなるために傘を持って高いところから飛び降りる貴族の少年でした。(人の名前を覚えるのが苦手な私は、大好きなこの子の名前を忘れています…。なんてこった。)
 クリスマスといえば、『幸福の王子』を先日読む機会があり、小さい時に読んだのとはいたく印象が違っていたのに驚きました。子供の頃読んだ時は、メスのツバメと「幸福の王子」さまが人々を助けていくという優しく美しい話という印象だったのですが、今回読んでみて、まずツバメがオスだったというのに、あれれ?そして、文章がいたるところに皮肉がばしばし効かせてあるのに、びっくり。しかし、一番驚いたのは、この話の裏テーマが同性愛の悲恋ものだという点でしょうか。(と、今回は読めてしまったのですね。邪道?)うーん、さすがオスカー・ワイルド。一筋縄ではいかん。エジプトに行かねば死んでしまうツバメと動くことも出来ない「幸福の王子」像。究極の障害だらけで悲劇間違いなしの恋愛関係ではないですか。しかも、異種間恋愛。いや、驚きましたわ。
 
 異種間恋愛といえば、『愛はさだめ、さだめは死』というSFがあったなあ。

 更に、清原なつのの漫画で「金色のシルバーバック」というのもあった。「銀色のクリメーヌ」も近いものがあるかも。

金色のシルバーバック (ぶーけコミックス)

金色のシルバーバック (ぶーけコミックス)

 …なんだか、クリスマスと全然関係ない話になってしまいました。読み始めたばかりの『1945年のクリスマス』に戻ります。
 

1945年のクリスマス―日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝

1945年のクリスマス―日本国憲法に「男女平等」を書いた女性の自伝

はるる