料理の本

 昨日より、鯖が体質的に食せない同居人が留守。ということは、今こそ、鯖を食べる好機ではないか!というわけで、残りの者たちは謀議をこらし、昨夜は鯖の味噌煮を作りました。
 そして、今日、足取りも軽く、以前から作ってみたかったあの鯖料理をするぞ!と、鯖を買いにお店に行ったらば、あれれ。本日は鯖がない。
 もう少し遠くの、別のお店に行けばあるかもしれないと思ったのですが、買い物に行く直前、つい『聖女の条件』を覗き見たのが運のつきで、しばらく読みふけってしまい、おかげで買い物に出かける時間が遅くなったため、時間的に余裕なし。
 結果的には、本日の献立はいきなり韓国料理になりました。作ったものは、ネジャンチョリム(砂肝のピリ辛煮)。『ジョン・キョンファのおいしいおかず』に載っていたレシピです。

ジョン・キョンファのおいしいおかず (朝鮮料理クッキングノート)

ジョン・キョンファのおいしいおかず (朝鮮料理クッキングノート)

 ちなみに、作りたかった鯖料理とは、栗原はるみの『もう一度ごちそうさまがききたくて』に掲載されていた鯖だんごでした。

 私は、料理の本も読み物として読んでしまう傾向が強いので、レシピだけが載っている本というのは、苦手です。だから、読み物としては面白いけど、レシピとしてはあまり役に立たない料理本も持っています。たとえば、ダスティ・ウェスカーの『友だち料理自由自在』とか。

友だち料理自由自在

友だち料理自由自在

 この本は、イギリスの劇作家アーノルド・ウェスカーの奥さんが、いろんな役者・演出家などが訪れる(日本の有馬稲子だったかも来客として訪れていたはず)日々について綴ったもの。しかし、料理が大好きで、彼女の手料理を楽しみにしている客も多いほどの腕前を持つダスティですので、毎回お客様にお出しした料理のレシピもばっちり収録されているという仕組みの料理本です。内容はとても面白い、でも、レシピとしてはあまりにも西洋料理過ぎて、私にはお菓子のレシピを除いて、殆ど役に立ちませんでした。(お菓子のレシピだって、入手困難な材料が多く、何で代替すればいいのかも分からず、そんなにお役立ちというわけでもない。)鳩の詰め物ワイン煮、雉子のシェリーソース煮、コージェット・ローズマリー風味などと言われてもねえ。そもそも、コージェットとは何かが分からないんですけど。(しかし、今、レシピを見返してみると、なんだか以前よりは出来そうと感じるものが増えている気がします。アメリカ生活を経て、パイ皮包みだのクランベリーソースだのがどんなものか、多少は分かったからでしょうか?)

 同じような系統の本で、別のお気に入りは、翻訳家の宮脇孝雄さんが書かれた『書斎の料理人』です。

書斎の料理人―翻訳家はキッチンで…

書斎の料理人―翻訳家はキッチンで…

 こちらは、翻訳家の宮脇さんが、英語の料理本からレシピを紹介しているものですが、一種の料理本の書評とも読めて面白かったです。料理とは関係ないですが、私はこの本で「膵臓惨劇」という名前の病気があることを知りました。すごいネーミングだ。膵臓が惨劇になってしまうなんて、どんなんや〜って感じですが、宮脇さんの解説によると、膵臓の壊死が急激に広がって、またたくまに死んでしまう病気だそうです。なんだか、すっごく痛そう。あの人、膵臓惨劇で亡くなったんですって。とは言われたくないぞ。エボラも怖いが、これも怖そうだ。ちなみに英語では、drame Pancreatigueと言うそうです。

 ここから、更に食に関する本として、私の好きな森枝卓士さんの一連の著作についても書きたいところですが、そんなことしていたら、むやみと長くなるので、本日はこの辺にしておきます。
 と言いつつ、特に気に入っているな森枝さんの本は、『世界お菓子紀行』と『週末はヴェジタリアン』というちくま文庫コンビになるということだけは書きたい私でありました。(しかし、まだまだこの人の本も全部は読んでいないことに、今更ながら、検索してみて気がつきました。)
 では。

世界お菓子紀行 (ちくま文庫)

世界お菓子紀行 (ちくま文庫)

 はるる