はるかなるルーブル

 土曜日から、故国より(スイス経由で)恩義ある方がパリ入り。
 というわけで、昨日は二人でルーブルに行ってきました。パリ三回目にして初めて足を踏み入れましたよ、ルーブル美術館
 
 それにしても、空間が有り余っているからといって、所蔵品がざくざくあるからといって、あそこまで宮殿の部屋全部使って、むやみと玉石混交で展示しまくるというのも、いかがなものか?
 
 個人的には、大好きなコプト美術のキリストが修道院長と肩を組んでいる6〜7世紀のイコン(とは言わないかも)を一人静かにゆっくり見られたことと、大好きなラ・トゥールの絵5点をやはり見物客がいなかったので、じっくり心ゆくまで見ることができたのが、嬉しかったですね。コプトなんて、私と同行者以外誰もいなかったです。開館してまだ間がなかったことと、みんなミロのヴィーナスを目指してさっさと階段を昇っていくからだろうと推測しました。ミロのヴィーナスとモナリザとニケ像の前はすごい人だかりであとはそうでもない、というところがなんとも…。

 土曜の夜からえんえんと日本語で話していたせいか、今日はフランス語を読む気になれず、日本語の本を読んでいました。山折哲雄氏の『日本人の宗教感覚』(読了)と、小林道憲氏の『宗教とは何か』(途中)。

 小林氏の著作は、内容はまあいいんですが、文章に華がなくて、ひたすら地味な文が連なり、なんだか読みにくいという、妙な感想を感じております。

 山折氏の本で驚いたのは、沖縄地方や九州の一部で葬式に行く・手伝いをする、あるいは喪家でご馳走になることを「ピトカンナ」(人を噛む)「ピトゥクンナ」(人を食べる)「プニシズ」(骨をしゃぶる)「ホネカミに行く」「ホネコブリ」「ホネヲシャブル」といっていたという記述。骨喰いと人喰いが絡むこの表現。なるほどなあと思い、同時に衝撃。

 では、ちょっと一泊小旅行もどきに出かけてきます。
  
 はるる