東京にて

 夏休みに入り、東京におります。名古屋に比べると涼しい感じ。

 夏休みにあれを読もう、これを読もうと考えていたのですが、予定外のミニミニ引越しをしなくてはならなくなり、予定通りにはなかなかいきません。

 とりあえず、夏休みに『米欧回覧実記』と『日本キリスト教復活史』はきちんと読もうと思っているんですが…。『米欧回覧実記』を読むと、漢文調の文章と言うのは力強く、雄渾なものだなと感じ入ります。

我日本は海上の孤島にて、山脈乱錯し、平原広野と謂つへき地なし、関八州奥羽の地は、我邦にありては寛曠の野なれとも、大陸地にあれは、平地の最狭少なるものたり、我日本は一の山脈にて成たりと謂へし、大陸地にて大山脈と称するは、尽く峻峰重層するにはあらす、中には大原野を包む、猶我東山道にて、山上に平野を抱き人跡を絶に至らすして、筑紫四国羽越の地は返て往々人跡を絶たる畳山あるの理なり

 煎じ詰めれば、日本は山ばっかりの国土だといっているだけの内容をこのように格調高く言えるというのは、ちょっと憧れるなあ。
 

特命全権大使 米欧回覧実記1 (岩波文庫 青141-1)

特命全権大使 米欧回覧実記1 (岩波文庫 青141-1)

日本キリスト教復活史

日本キリスト教復活史

 などと思いつつ、東京に行ったら読もうと思っていたある本を読み終えました。
 それは、『センセイの書斎』です。
 今、ミニミニ引越しで本と闘っているのですが、この本を見ると、私の蔵書なんて蔵書とも言えない規模だということがよーく分かります。まだ幕下ですね、私は。
 

センセイの書斎―イラストルポ「本」のある仕事場

センセイの書斎―イラストルポ「本」のある仕事場

 ついでに、本屋で『書斎曼荼羅―本と闘う人々』1・2巻も立ち読みしてしまいました。「本と闘う」という言葉にハートをわしづかみされまして。
 いやあ、鹿島茂氏の家に比べれば、私の状況なんてなーんてことないわ、てな具合で、いきなり気が大きくなりました。

書斎曼荼羅 1 ―― 本と闘う人々

書斎曼荼羅 1 ―― 本と闘う人々

書斎曼荼羅 2 ―― 本と闘う人々

書斎曼荼羅 2 ―― 本と闘う人々

 別段、気が大きくなって、本の一冊や二冊増えたってってわけではないですが、突如『ニッポン不公正社会』を購入して一気読み。これは、先日からのワーキングプアがらみの読書ですね。
 それにしても日本はどーなるんじゃい。
 

ニッポン不公正社会 (平凡社新書)

ニッポン不公正社会 (平凡社新書)

 はるる