あけましておめでとうございます

 いよいよ新しい年が始まりました。
 今年もよろしくお願いします。(何をお願いしているのか自分でもよく分からないけど。)
 なんのかんの言いつつブログを始めて3度目の正月(始めたのが12月だったので、実質2年ですけど)。
 月日が経つのは速いですねえ。

 神保町でさんざん悩みまくった揚句に買った本を脇に置いて、積読本を片付けようと、年末『文学全集を立ちあげる』を読みました。
 

文学全集を立ちあげる

文学全集を立ちあげる

 丸谷才一鹿島茂三浦雅士の三氏だとこうなるだろうなというラインナップ(その意味では納得)。
 しかし、この世界文学全集篇、フランス偏重もいいとこではないですか。(本の中でちゃんと皆様ご自身で指摘されておりますが。)
 もうちょっと「世界」と銘打つからには、朝鮮とか、東南アジアとかアフリカとかアラビアの文学を入れて欲しかったなあ。
 やはり「小説家をめざす人のための全集」というコンセプトだと、こういうことになるのでしょうかね。
 小説そのものがヨーロッパで誕生したものだから、ヨーロッパ中心なのはやむをえないのかしら?

 もっとも、私は小説をろくすっぽ読まない人間なので、ここに挙げられている小説の大半も、題名は知ってるけどね(^_^; 本屋の棚で見てるから)レベルなので、上記のようなつぶやきは、ごまめの歯ぎしりにもなりまへん。
 私は、小説をうっかり読むとすぐその世界に取り込まれてしまう体質の人間なので、仕事が忙しいときは、決して近づかないようにしています。その結果、ここ数年、一年に一つか二つ小説読むのが精一杯の生活が続いてます…。

 その後、丸谷づいたというわけでもないですが、文庫化しないと確かご当人がおっしゃっていたように記憶していたのに、書店で文庫化されているのを発見してしまい、思わず買ってしまった『新々百人一首』上・下を拾い読み。(図書館で単行本を借りて何度か読んでます。)

新々百人一首〈上〉 (新潮文庫)

新々百人一首〈上〉 (新潮文庫)

 
新々百人一首〈下〉 (新潮文庫)

新々百人一首〈下〉 (新潮文庫)


 付録として収録されている林望氏との対談(上巻収録)でも、俵万智氏との対談(下巻収録)でも、和泉式部の歌(有名な「黒髪のみだれもしらず打伏せばまづかきやりし人ぞ恋しき」)の解釈に言及されていて、それは分かるなあと一人うなづきました。私も、この解釈読んだとき、目からウロコが3枚ほど落ちましたもん。
 個人的に好きな歌は、

 「雪のうちに春はきにけりうぐいすの氷れる泪いまやとくらむ」(二条后)
 「ささなみや志賀の都は荒れにしを昔ながらの山桜かな」(平忠度
 「かざこしを夕超えくればほととぎす麓の雲のそこに鳴くなり」(藤原清輔)
 「むろの海や瀬戸の早舟なみたてて片帆にかくる風のすずしさ」(藤原信実
 「七夕のとわたる舟の梶の葉にいく秋かきつ露のたまづさ」(藤原俊成
 「山守よ斧の音たかくひびくなり峯のもみぢはよきて伐らせよ」(源経信
 「舟出する比良のみなとのあさごほり棹にくだくる音のさやけさ」(顕昭

などなど…。

 慧眼の方はお気づきのように恋歌がなく、恋愛関係の暗喩が潜んでいない和歌(自然を詠んでいるようで、実は恋を詠んでいる歌はごまんとある)が好きなんですね、私は。朴念仁なのであります。

 そして、今読んでいるのは、『打ちのめされるようなすごい本』。

打ちのめされるようなすごい本

打ちのめされるようなすごい本

 米原万理さんのファンだっただけに、昨年の訃報はショックでした。
 少しずつ味わいながら読んでいます。

 大晦日にやっとおせちを作り、元旦に年賀状を書いて、2007年スタートです。いかなる年とあいなりますやら。

 はるる