メガチャーチ

 昨夜、クローズアップ現代で、「巨大教会が政治を動かす」というメガチャーチ関連の番組を視聴しました。


昨夜クローズアップ現代で放映されていたメガチャーチのウェブサイト
 404


この番組を見て、メガチャーチの動きに関して、プラスとマイナス両方のことを感じました。

 プラスと感じたことは二つあって、一つは教会がコミュニティとして機能している点。これは、教会の原点につながる活動で、非常にいいと思いました。日本のカトリック教会も学ぶべき点があるなあと視聴しつつ思いましたね。

 それと二つ目は、教会が環境問題や貧困問題に取り組み、それに力を入れる候補者を支持しようとしている点。教会が数を力にして政治を動かすというのは非常に微妙な問題で、2004年の大統領選のように、ブッシュを再選させ、イラク戦争を支持し、選挙の争点を同性婚や中絶問題に限定してしまうという風になると大変まずいわけですが、逆にワーキングプアの問題や地球温暖化の問題に本気で取り組もうとするとき、かなりの威力になりうるのではないかと思いました。

 そういうことは、カトリックでも投資を通してやろうとしているわけですし。
キリスト教がベースになって投資を通して企業に働きかけようとしている団体の一例です。

http://www.oikocredit.org/site/en/
http://www.ccfd.asso.fr/
SIDI - Un investisseur solidaire et patient
ICCR (Interfaith Center on Corporate Responsibility) | Inspired by faith, committed to action


 しかし、マイナスではと感じたのは、教会の教えにまでマーケティングの手法を導入している点です。人々が聞きたいと思っていることを説教で語るというのは、100%否定はしませんが、どうなのでしょうか?(これは、日本におけるスピリチュアルブームと根底の部分でつながっている気がします。この点については、もっと考えたいと思っています。)

 今や政治も常に世論調査マーケティングの結果を踏まえて、人々が聞きたいことを語るというのが普通になっているらしいですが、それを教会がやってしまっていいの?

 教会の経営をマーケティングの手法でやるというのも、多少ひっかかるものを感じるのですが、教会も組織である以上、ビジネスであることは逃れられないので、この動きは仕方ないのかな。難しい・・・。


 メガチャーチのビジネス手法に学べという記事。


http://acorn.typepad.jp/trends_and_ideas/2005/06/church_marketin_1.html


 教会のビジネス化の動きはカトリック教会にも波及しつつあるようです。


http://acorn.typepad.jp/trends_and_ideas/2005/07/church_marketin.html


 これで、いいほうに変わればいいですけれど。
 
 でも、神とマンモンの両方に仕えることは出来ないわけで・・・。

  それに、聖書を読めば、神の選びはいつも、弱く小さい者、貧しくされた者に向かったのでは?

 どうも、すっきりしないなあ。


 番組は30分足らずだったので、あっさりと表面を撫でただけという印象があり、もっと知りたいなと思ってちょっと調べてみました。

 まず、メガチャーチの定義。

 簡単な定義は

http://hirr.hartsem.edu/megachurch/megachurches.html


 より詳細な内容は

http://hirr.hartsem.edu/megachurch/definition.html


 この二つを読むと、カトリック教会はいくら2000人以上の信徒を抱えていても、メガチャーチとはみなされないことが分かります。

 東京四ツ谷のイグナチオ教会は信徒数一万人だからメガチャーチというのかと思ったのですが、そうではないわけだ。


 みなさない理由の一つは、メガチャーチの特徴の第一が、教会が抱えている人数(2000人以上の信徒数)にあるのではなく、その礼拝スタイルと教会活動のダイナミズムにあるからということみたいです。

 つまり、巨大なカトリック教会にはカリスマティックな指導者がいない例が殆どだし、教区を超えて遠くから人々を引き付けている(例えば、車で一時間以上かけて礼拝に来る)ということもなく、毎週何百人というボランティアが教会が行っている様々な活動に参与しているということもないし、週に7日間毎日深く人々に関与するような活動を提供しているわけでもない・・・という具合なので、カトリックメガチャーチとはみなさないということのようですね。(5つの定義のうち、最初の一つしか満たしてないのではね。)

 プロテスタントに比べるとカトリック教会はどうして活動が活発でないのだろう?決して何もしていないわけではなく、ホームレスのためとかいろいろそれなり活動していたと思うのですが。「慈善活動」はするけど、教会を構成しているメンバーにとってのコミュニティとして弱いということかもしれない。

 ・・・ま、私は英語の下手な外国人だったので論評できるほどアメリカのカトリック教会を知りませんから、ここは保留にします。


 ビジネスという視点からのメガチャーチに関するフォーブスの記事はこちら。


http://www.forbes.com/2003/09/17/cz_lk_0917megachurch.html


 「我々の社会(アメリカ社会)では、成長と成功は同一です。そして、宗教上の成長とは、単に成功とイコールというだけでなく、司牧(プロテスタントだと牧会とかいう言葉ですかね)に神の祝福が与えられているということなのです。」

 ・・・うーむ。何かが間違っているような気がするけど、それは単に私の頭が古いから(~_~;)?


 この記事によると、メガチャーチがあんなに巨大である理由の一つは、テクノロジーを駆使するからで、小さい教会もテクノロジー導入によって大きくすることができるし、それを助けるビジネスがあるそうで、時代遅れのアナログおばさんはひたすら目を白黒させるばかりなのでありました。


 おお、すごい。こんなウェブサイトまである。

 Church Solutions


教会はビジネスなのですねえ。この視点は、日本のカトリック教会にはないと思うなあ。(私が知らないだけかも知れませんが。)


 いやあ、知らないことだらけ。もっと現代のキリスト教の動きを追わないとダメですね。


 今日は、反省うさぎでこれにてさらば。

 はるる