神学とは

 あるユダヤ教のラビは神学をこう定義したそうです。

 神学とは、朝起きた時、神が何を心配しているのだろうかと考え、神の心配事を、神と共に心にかけることだ。


 シンプルだ。

 この言葉は女性神学者であるレティ・ラッセルが講義の中で引用した言葉なのだそうで、わたしは更にラッセルが引用しながらこう言ったと、絹川久子さんが『女性の視点で聖書を読む』の中に引用されている文章で読んだものです。(ややこしいですね。孫引きということになるのかしらん。)

 

女性の視点で聖書を読む

女性の視点で聖書を読む


 田川健三氏の『キリスト教思想への招待』読了。

 毒気の強い文章に最初はいささか抵抗ありましたが、すぐにそれには慣れ、大変興味深く読みました。第2章「やっぱり隣人愛」と第四章「終われない黙示録」が、私にとっては特に示唆に富んでました。
 
 真剣にキリスト教のことを考えている良書だと思います。


 例の『オーメン』で引用されていた『ヨハネ黙示録』13章(獣の数字は666という文で終わる箇所)においてこの黙示録作者が攻撃しているのは、ローマ帝国における古代資本主義とそれを支える貨幣の力であり、貨幣経済によって人々の生活の基本的な構造まで支配されたということ、その結果、貧富の差が拡大し支配−被支配関係が激烈になったということなのだという考察は、とても刺激的でスリリングでした。

 なにせ、『ルポ 貧困大国アメリカ』において、この貨幣による支配力の冷酷さとえげつなさをさんざん読んだ後でしたので。


 もっとも、第三章の内容には全面的に賛成は出来かね、どう考えたらいいかちょっと動揺してます…。

 

キリスト教思想への招待

キリスト教思想への招待


 とりあえず、『イエスという男』を読まないと。

 

イエスという男 第二版 増補改訂

イエスという男 第二版 増補改訂

 はるる