泉を掘る

 暑いっ!
 なんだか今日は本当に暑かった。
 とうとうやってきました、あの恐怖の名古屋の夏が。


 ところで、先日知的興奮のうちに『日本の近代思想』を読了しましたが、その中のある一文が忘れられないので、ここに書いておきます。(忘れられない文章や言葉はまだまだあって、あちこち付箋だらけですが、一番はこれかな。)

 それは、沖縄の伊波普猷が述べた言葉です。

 深く掘れ、己の胸中の泉、余所たよて水や汲まぬごとに。

 余所に水を求める必要はない。私の中にある泉を掘ればいい。

 つい、他に水があるのではとうろつきたくなりますが、本当はここにある。

 「足元を深く掘れ」という言葉も私の胸に響くものがありますが、同じことを教えている言葉ですね。

 

日本の近代思想 (岩波新書)

日本の近代思想 (岩波新書)


 読み終わったといえば、堀江敏幸『熊の敷石』を読みました。
 目を×にとじられているテディ・ベアが、私の中にいまだに強烈な印象を遺しています。

 重かったけれど、読むことで魂に栄養を与える小説でした。よかった。

熊の敷石 (講談社文庫)

熊の敷石 (講談社文庫)

あ、そういえば『郊外へ』も読み終わっていたなあ。あれを読むと、無性に散歩に出たくなるのよね。
 郊外へ延びる電車に乗って、一つ一つ駅を降りてその街を歩いてみたいという誘惑にかられます。
 

郊外へ (白水Uブックス―エッセイの小径)

郊外へ (白水Uブックス―エッセイの小径)

 
 はるる