台風が来る日はイシグロを読もう

 というわけで、仕事も何も投げ出して、カズオ・イシグロの最新作…ではなく、
デビュー作『遠い山なみの光』を買い、日曜日に再読しました。

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

遠い山なみの光 (ハヤカワepi文庫)

 昔、英語で読んでみたのですが、粗筋はともかく、細かい所は全然読めてなかった
なあと痛感した次第。
 こんな風に、原爆が影を落としていたなんて、全く読みとれてなかったです。
 今回、翻訳で読み返してよかった。
 のですが、娘の自殺の話が地下水流のように話の底を流れていて、これが辛かったのも、事実。

 この後、仕事に区切りをつけたら、読みますよ、『忘れられた巨人』を。
 もう購入はしていて、本棚に飾って横目で眺めている状況ですから。

 


 最近『私たちが孤児だったころ』も読み返して、やはりすごい作家ではないかと思い、
ちょっとイシグロ読みたい熱にかかっています。

 本屋でイシグロ研究本も立ち読みして(しかも立ち読みが一冊で終わらなかったので、
本屋側からすれば買いなさい!と仰りたかったのでは)、日本を題材にした最初の二冊、
特に『浮世の画家』の翻訳で論争があったとか、そういうゴシップめいたものだけが
印象に残っているという状態で、雨が降る中、家に戻り、購入した『遠い山なみの
光』を一気読みしたのでありました。

 立ち読みしたのは、こちらの二冊。

カズオ・イシグロ―“日本”と“イギリス”の間から

カズオ・イシグロ―“日本”と“イギリス”の間から

 すみません、購入するほどのイシグロファンではなくて。

 はるる