読書の秋
イギリスから帰国後は仕事に追われ、あのイギリスでの寛いだ日々は何であったかと思うほどでしたが、その忙しさの合間に仕事に必要な本以外の本を、何冊か読みました。
イギリスから帰って英語の勉強にかこつけて、昔読んでいたく感動した Lois Lowry の The Giver を再読。
ついで、この日本語訳(『ギヴァー 記憶を注ぐ者』)が出ていたので図書館で借りて読んでみたところ、今やこの話は四部作にまで発展していると知り、続編を読みたくてたまらなくなって、翻訳が出ていた第二作目『ギャザリング・ブルー 青を蒐める者』と第三作目『メッセンジャー 緑の森の使者』も借りて、立て続けに一気読みしました。
第一作目の主人公が続編に顔を出していて、その後を知ることができたという点では嬉しかったですが、作品の出来という点で言えば、やはり一作目が最も水準が高くて、薄気味の悪い偽りの快適さに満ちた世界の描き方や主人公の心の変遷や最後の旅の部分などがとてもうまく描かれていて、成功していたと思います。(さすが、ニューベリー賞を受賞しただけはある。)
第二作目もうまくまとめていましたが、第三作目が、頑張っているけど、一番落ちるという印象ですね。最後の部分がちょっと失敗しているかなあ…。
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でも、四作目があるので、まだこの四部作への判断を下すのは早いわけで、私は今、英語で四作目を読むか、翻訳を待つか、迷っております。
完結編だから読みたいなあ。けど、日本語ほど英語は早く読めないし、隅々までよくわかって読むという英語力ではないし(^-^;。
と、そんな時に入ってきたのが、今年のノーベル文学賞受賞者がカズオ・イシグロに決まったというニュースでした。
カズオ・イシグロは好きな作家で、おお、この人の作品ンならすべてとは言わないが、何冊か読んだぞ!とテレビの臨時ニュースを聞いて一人興奮してしまいました。
(これまでのノーベル文学賞受賞者の作品で事前に読んだことのある作家は、大江健三郎以外にいなかったので。)
イシグロさんの作品で一番好きなのは、『わたしを離さないで』かな。これは英語で頑張って読み、日本語でも読みました。
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これは文庫になるのを待っていた『忘れられた巨人』を買いに走るべきかと思っていたら、今月、早川書房から文庫が出るのですね。嬉しい!出たら、読みます。
- 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄
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というわけで、読書の秋の夜に読む本は決まった。
吉野朔美さんがご存命なら、イシグロ作品を全作読破していらしたので、きっと「吉野朔美劇場」で何か描いて下さったろうにと、ちょっと故人に思いを馳せました。
『吉野朔美は本が大好き』のカズオ・イシグロの部分を読み返してみよう。
吉野朔実は本が大好き (吉野朔実劇場 ALL IN ONE)
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はるる