初めて小川糸を読む

 友人から、これ、はるるさん向きだと思うから読んでみては、と勧められ貸していただいた小川糸の『針と糸』を読みました。

 小川糸さんの本を読むのは初めてで、しかも小説ではなくエッセイ集が入り口だったわけですが、こ~れ~が、なかなかよろしかったのです。

 

 ドイツの人々が土日をしっかり休んでメリハリのある暮らしをしているというのは、昔、犬養道子の本で読み、最近も辛淑玉さんのある雑誌に連載されているドイツ通信(正確なタイトルは失念)の中で読み、また、ドイツに住んでいる友人からも聞いてましたが、改めて小川糸さんの文章で読むと、あら不思議、自分もそんな風に生きたい!という気持ちがむくむくと湧き上がってきたではありませんか。

 

 というわけで、日本ではなかなか難しいけど、土日はなるべくのんびり、平日はめいっぱい働く(でも、夜は働かない)を現実化しようとです。、ただいま努力中です。

 

 あと、『針と糸』の中で、これは忘備録的に書き留めておこうかなと思ったのが、ラトビアの十得。 

 

常に、正しい行いをしましょう。

隣の人と仲良くしましょう。

自らの知識や能力を社会のために惜しみなく差し出しましょう。

まじめに楽しく働きましょう。

それぞれの役割を果たしましょう。

向上心を忘れずに、自らを洗練させましょう。

家族や友人、故郷、自然など衣食住のすべてに感謝しましょう。

どんな状況におちいっても朗らかに明るく受け止めましょう。

ケチケチせず、気前よくふるまいましょう。

相手の立場に立って寄り添いながら生きていきましょう。

 

  なかなか楽しい人生訓だと思う。

  

  これから、小川糸さんの小説も読んでみようかなと思っています。

  やっぱり最初の一冊は『食堂かたつむり』でしょうか。

 

 

 あと、読了したのは、『安部官邸vs.安部官邸NHK』と『バイリンガル・エキサイトメント』。

 

 

 

 『安部官邸vs.NHK』は、テレビのニュースってこんな風に取材され、作られているのかというのが、そもそも新鮮で一気読みしてしまいました。

 当たり前ですけど、テレビのニュースって自然に降ってくるものではなく、誰かが調べて裏付けを取り、文章化し、それが放送されてはじめてニュースになるわけですが、その辺りを意識してNHKニュースを観てなかったです。

 あと、一つひとつの順番と長さに結構、意味があるというか、深謀遠慮があるんだなとういことも学びました

 というわけで、元号騒ぎをかなり斜めに見ていた私。

 で、この本の肝は

 

森友事件は森友学園の事件ではない。国と大阪府の事件である。(中略)おかしなことをしたのは森友学園ではなく、むしろ国と大阪府のほうだ。

 ということを主張し、この主張に論拠を与えているところですね。

 

 『バイリンガル・エキサイトメント』はリービ英雄さんの新刊で、本屋でみかけて、ついふらふらと買ってしまいましたが、リービさんの三つの講演や、多和田葉子や温又柔らとの対談、そしてエッセイ集がてんこもりの読んで満足の本でした。

 「令和」騒ぎの時、『万葉集』『万葉集』と連呼され、本が売れているというので、『万葉集』を英訳して全米図書賞を獲得したリービさんのインタビューもあるかしらと思ったけど、気が付いた限りでは全くなくて、それが残念です。

 あと、無邪気に『万葉集』と騒いでいるのを見ると、戦前にいかに国家が『万葉集』を利用したかということに思いが行き、どうも落ち着かなくなってしまう。

 『万葉集』自体には何の不満もなく、好きですけどね。

 

はるる