2005-01-01から1年間の記事一覧

俳句と時代と

桜の盛りは短くて、先週、瞬く間に満開になったと思ったら、昨日の強風でどんどん散り始め、今日の雨でトドメを刺されました。家の近所に桜の名所があるので、私は毎日桜を堪能できて、嬉しかったです。 昨日、桜吹雪の中を歩いたので、唐突に好きな俳句を一…

葬儀ミサ

NHK・BSで教皇の葬儀ミサを見ました。 ラテン語でミサをしていたので、やはりここぞ!という時は、ヴァチカンはラテン語になってしまうのかあと思いました。今の枢機卿団は、ラテン語ミサを体験している人々ですが、あと20年もしたら、ラテン語はよく分から…

教皇について追記

昨日書いたヨハネ・パウロ二世についての内容が、ちょっと誤解を招くかも知れないと思ったので、補足しておきます。 ヨハネ・パウロ二世はマスメディアが語っているように、東欧の民主化を陰で牽引した人物であり、平和を強く希求し、それをはっきりと態度に…

ヨハネ・パウロ二世

昨夜、教皇ヨハネ・パウロ二世が逝去されました。長い間、教皇のあまりにも苦しげな姿を見続けていたので、悲しいというよりも、やっと苦しみから解放されてよかったという思いの方がずっと強いです。 私が洗礼を受けたのは15年前なので、コンクラーベをカト…

料理の本

昨日より、鯖が体質的に食せない同居人が留守。ということは、今こそ、鯖を食べる好機ではないか!というわけで、残りの者たちは謀議をこらし、昨夜は鯖の味噌煮を作りました。 そして、今日、足取りも軽く、以前から作ってみたかったあの鯖料理をするぞ!と…

年度末

海外に住んでいる人には、何の関係もないけれど、日本は本日、年度末。明日から2005年度が始まります。というわけで、一応、年度最後の日だから、とりあえず更新しておこうという不届きな考えを抱いた私であります。(それに、いつまでもご復活おめでとうと…

復活祭

「なぜ、生きておられる方を死者の中に捜すのか。 あの方は、ここにはおられない。復活なさったのだ。」 (ルカ24:6) 主のご復活、おめでとうございます。 今年は、かなり早いイースターとなりました。3月25日は普通、マリアへのお告げの日(マリアに天使…

Hail, Mary

雑誌TimeのCover Storyである"Hail, Mary"を読みました。 アメリカにあるプロテスタントのいくつかの派で、マリアへの関心、崇敬が最近高まっているという話。この背景には、800万にも上るヒスパニック系プロテスタント人口の急増(彼らは、マリア信心をそっ…

印受比細以

ここ数日、必要あって、江戸期の日本人が得ていた西洋情報に関する本を集中的に読んでいますが、その中で、ほほうと思った話を一つ。 それは、1847年、高野長英がプロイセンの軍人ブライトンの著作『三兵答古知幾(たくちき)』(「たくちき」とはTaktiek、…

黙々読書中

引き続き、19世紀日本の宗教状況について読書中です。私は無知蒙昧の輩なので、読むものすべてから教えられていますが、個人的に特にためになったのは、前回のコメント欄に書いた島薗氏の論文と、この問題に関する基本必読文献の一つであろう安丸良夫氏の『…

一息ついて・・・

昨日書いた内容を今日読み直すと、文章は弛緩しているし(いつもしているけどさ)、内容はどうしようもないしで、我ながらうんざりしてしまい、削除しました。 やはり、きちんと物事を自分なりに考えてから書き始めないと、こういうことになると自己反省。 …

歌舞伎見物

行ってきました、襲名披露。いただいたチケットは「夜の部」だったので、口上は見られませんでしたが(三月歌舞伎では、口上は「昼の部」)、なかなか堪能させていただきました。 個人的に一番嬉しかったのは、三島由紀夫が書いた歌舞伎『鰯売恋曳網』(売と…

脳と魂

最近の、私の寝る前読書は、養老孟司・玄侑宗久氏による対談をまとめた『脳と魂』です。脳と魂作者: 養老孟司,玄侑宗久出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2005/01メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (17件) を見る まだ、読み始めたばかり…

「神父もの」

本日、目白にある東京カテドラルでの叙階式に出席してきました。私にとっては、久し振りの叙階式出席です。神父さんが誕生する瞬間に立ち会うというのはいつも感動的なものですが、今回は若い神父が3人一緒だったので、なおさら心動かされるものがありました…

歌舞伎

本日、知人を通して、「十八代目中村勘三郎襲名披露 三月大歌舞伎」のチケットをいただきました。全く予期していなかったことだけに、本当に嬉しい。昨年の海老蔵の襲名披露に行き損ねているだけに、嬉しさ倍増です。幸せ、幸せ、幸せ…。(四旬節なのに、い…

ちょっと息抜き

体力がない私は、ちょっとした旅行でも疲れが出てしまう情けない奴なので、ここ数日、お疲れマダムと化しておりました。で、肩のこらないもの読みたいなーと、人から借りた中村吉右衛門丈の『播磨屋画がたり』をぱらぱらと読んだり(実は私は歌舞伎ファンで…

旅行かばんの中の二冊の本

旅から戻ってきました(って帰省してただけなんですが^_^;)。 結局、旅のお供をした本は、『100歳の美しい脳』と "I'm the King of the Castle"でした。 100歳の美しい脳―アルツハイマー病解明に手をさしのべた修道女たち作者: デヴィッドスノウドン,David …

かばんの中の本

今日からしばらく留守にしますので、更新は最低一週間ありません。 ただいま、飛行機の中で何を読むか、どの本を持って行くかという、私にとり最も重要な問題に頭を悩ませております。候補は、『英語で読む万葉集』か、『デモクラシーの冒険』か、『無国籍』…

エクソフォニー

多和田葉子さんの『エクソフォニー』を読了しました。多和田さんは、ハンブルク在住のドイツ語と日本語で小説を書いている方ですが、私はこの人に以前から関心があって、書いたものを読みたいなと思っていたのです。昨年、多和田さんの『犬婿入り』を読み、…

万葉集

このところ忙しくて、更新のヒマがありませんでした。しかし、それでも読書をやめられないのが私の性分で、最近の就寝前の読書は、リービ英雄の『英語でよむ万葉集』です。英語でよむ万葉集 (岩波新書)作者: リービ英雄出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 200…

誘惑の一覧表

先日読了した『黙って行かせて』に出てくる母親の態度(総統に感情すらも捧げてしまうといった)について、ずっと考えていたところに、下記のような文章に出会いました。これは、『ヴェイユの言葉』に収録されていたもので、シモーヌ・ヴェイユは「誘惑の一…

ファンタジーふたたび

『ファンタジーと歴史的危機』を読んでみました。こういったことに無知な私には、うってつけの入門書となった感じです。特に、産業革命を一足早く成し遂げた19世紀中葉のイギリスで、なぜファンタジーが誕生したかという辺りの歴史的事情に関して。ファンタ…

黙って行かせて

読み止しだったヘルガ・シュナイダーの『黙って行かせて』を読みました。なんとも索漠とした読了感。黙って行かせて作者: ヘルガ・シュナイダー,高島市子,足立ラーベ加代出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/10/28メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を…

アウシュビッツ

1月27日に行われたアウシュビッツ解放60周年記念式典を録画したヴィデオを見ました。 私にとり一番強く記憶に残ったのは、まだ式典が始まる前に、アナウンサーだったかインタビューされた研究者だったかが、ユダヤ人虐殺はドイツ人だけの問題ではない、ヨー…

間違い

昨日書いた、ボルマン・ジュニアについての記述に間違いがありました。私の記憶では、彼が偽名で隠れていたときに、母の死を知って泣くという場面があったのですが、不安になって本のその箇所を読み返してみたら、そんな場面はなかった。あれれ?その部分は…

ナチスの子どもたち

『黙って行かせて』(これは実話だそうです)の書評を見て、私がまず連想した本は、My Father's Keeper という本でした。その後で、B・シュリンクの『朗読者』も連想しましたが。話は脱線しますが、『朗読者』は傑作ですね。第三部は泣きながら読みました。…

日本のファンタジー

仕事が一段落し(といっても、すぐ次の段落が来るんですが)、一息入れようと荻原規子の『白鳥異伝』を読みました。これは、日本のファンタジー。三部作の第二作目にあたるものです。なぜ第一作から順を追って読まないかというと、理由は簡単、一作目の『空…

ファンタジー

前回書いたファンタジーに神はいない云々のたわごとを思い返して、吸血鬼ものって、ホラーに入るのではないかということに気がつき、う〜ん、ホントに私はたわごとを書いてるねー、それにしてもジャンル分けとは難しいものだと一人でうなってしまいました。…

ハウル

仕事の憂さ晴らしに一気読みしてしまいました、『魔法使いハウルと火の悪魔』。魔法使いハウルと火の悪魔―ハウルの動く城〈1〉作者: ダイアナ・ウィンジョーンズ,佐竹美保,Diana Wynne Jones,西村醇子出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 1997/05/01メディア: …

自分の言葉

この間、今は亡き須賀敦子さんと池澤夏樹さんの対談(「わが内なるヨーロッパ」)を読んでいて、こういう箇所に出会いました。